ニュース速報

ワールド

ブラジル、1年以内にOECD加盟へ=経済相

2020年10月21日(水)10時41分

 ブラジルのゲジス経済相は20日、同国が1年以内に経済協力開発機構(OECD)に加盟する見込みだとし、準備作業の約3分の2がすでに完了していると明らかにした(2020年 ロイター/Adriano Machado)

[ブラジリア 20日 ロイター] - ブラジルのゲジス経済相は20日、同国が1年以内に経済協力開発機構(OECD)に加盟する見込みだとし、準備作業の約3分の2がすでに完了していると明らかにした。ミルケン研究所主催のオンラインイベントで述べた。

同相はまた、政府系金融機関であるブラジル連邦貯蓄銀行の「デジタル」部門の新規株式公開(IPO)を計画していることも明らかにした。

同相は「OECDに近く加盟する。加盟要件の3分の2を満たしつつあり、おそらく1年以内に加盟するだろう」と述べ、透明性や規制、反汚職、調達に関する進展を強調した。

ポンペオ米国務長官は19日、米国の支持の下、ブラジルがOECD加盟に近付いているとし、「できるだけ早期の(加盟)実現を望んでいる」と述べていた。

ゲジス経済相は、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)への対応で政府支出は今年の国内総生産(GDP)の約10%相当に達したが、民営化や資産売却、財政規律、規制緩和といった経済改革への取り組みは再び軌道に乗っているとの確信を改めて示した。

財政支援策の大部分はブラジル連邦貯蓄銀行を通じた貧困層向け給付金だとし、同行のデジタル銀行は突如として非常に多くの新規顧客を得たと指摘。

「6400万人がデジタル化された。6400万人の顧客を持つ銀行がどれほど価値があるだろうか。低所得層だが、(銀行に登録するのは)初めてであり、生涯にわたって忠実な顧客になるだろう」と語った。

「設立から6カ月足らずのこのデジタル銀行のIPOを計画している」と述べた。

また、過去1年半にわたるブラジルの金融緩和や財政引き締めへのシフトが通貨下落につながっているとした上で、投資家や企業がこうしたリスクをヘッジできるよう、政府は中央銀行と協力しメカニズムの構築に取り組んでいると述べた。

ブラジル経済については今年、約4%のマイナス成長になるという19日に示した見通しを繰り返した。通貨安が輸出を支援することなどから、数カ月前に多くのエコノミストが示した予想よりも楽観的だとした。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米サイバーマンデー売上高、6.3%増の見通し AI

ビジネス

BofA、FRBの12月利下げを予想 据え置き見通

ビジネス

米、英の医薬品関税をゼロに NHS支出増と新薬価格

ワールド

ゼレンスキー氏、マクロン氏とパリで会談 「持続可能
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯終了、戦争で観光業打撃、福祉費用が削減へ
  • 2
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業界を様変わりさせたのは生成AIブームの大波
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【クイズ】1位は北海道で圧倒的...日本で2番目に「カ…
  • 5
    中国の「かんしゃく外交」に日本は屈するな──冷静に…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 8
    600人超死亡、400万人超が被災...東南アジアの豪雨の…
  • 9
    メーガン妃の写真が「ダイアナ妃のコスプレ」だと批…
  • 10
    コンセントが足りない!...パナソニックが「四隅配置…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 6
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中