ニュース速報

ワールド

OPEC産油量、9月は3カ月連続増加 リビア・イラン増産

2020年10月01日(木)08時21分

[ロンドン 30日 ロイター] - ロイターの調査によると、石油輸出国機構(OPEC)の原油生産量は9月に3カ月連続で増加した。減産合意の全体の順守率は高かったものの、協調減産の除外国であるリビアの生産施設の一部再開やイランの輸出増の影響が大きかった。

13カ国で構成するOPECは9月に日量で平均2438万バレルを生産し、前月の改定値から16万バレル増えた。6月は約30年ぶりの低水準だった。

OPEC産油量の8月以来の増加と新型コロナウイルス感染再拡大による原油需要への影響を巡る懸念が原油相場を圧迫しており、9月は10%下落し、1バレル=40ドルに近い水準を付けた。リビアは過去に生産を再開しても持続できていない経緯があるため、OPECは動向を見守っている。

ライスタッド・エナジーのアナリスト、パオラ・ロドリゲスマシウ氏は「需要が辛うじて持ちこたえている一方で、供給は増えている」と指摘。「リビアの生産が戻りつつある」とした。

リビアとイランはOPEC加盟国だが、主要産油国から成る「OPECプラス」の減産合意から除外されている。原油価格はコロナ危機による需要の落ち込みを受けて4月に記録的な安値を付けたが、協調減産によって持ち直してきた。

9月のOPEC加盟国の減産順守率は101%と、8月の100%から上昇した。

9月のOPECの産油量は、6月比で約200万バレル増えたことになる。ロイターの調査やOPECのデータによると、6月の産油量は1991年以来の低水準だった。

リビアの原油生産は、リビアの有力軍事組織「リビア国民軍(LNA)」のハフタル司令官が9月18日に原油輸出の封鎖を解くと表明したのを受け、月間平均で日量7万バレル増えた。

イランの生産は、米国の制裁にもかかわらず輸出が増えたことから、12万バレル増だった。これは石油タンカーの追跡に基づく推定値の平均で、過去数カ月よりも推定値の幅は広かった。

協調減産対象国の間で9月に最も増産したのはアンゴラで、日量6万バレル増だった。

一方、最も大幅に減産したのはアラブ首長国連邦(UAE)だった。業界筋によると、8月の増産分を相殺する動きとみられる。

サウジアラビアは産油量を日量900万バレルに維持した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:社会の「自由化」進むイラン、水面下で反体制派

ワールド

アングル:ルーブルの盗品を追え、「ダイヤモンドの街

ビジネス

NY外為市場=ドル、対円で横ばい 米指標再開とFR

ビジネス

米、対スイス関税15%に引き下げ 2000億ドルの
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 5
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 6
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 7
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 8
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 9
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 10
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中