ニュース速報

ワールド

香港警察、抗議デモの警官襲撃事件巡り男を逮捕

2020年07月02日(木)15時14分

 7月2日、香港警察は2日未明、6月30日に施行された「香港国家安全維持法」への抗議活動で警察官を襲撃し負傷させた疑いで、24歳の男を空港で逮捕した。写真は香港で1日撮影(2020年 ロイター/TYRONE SIU)

[香港 2日 ロイター] - 香港警察は2日未明、6月30日に施行された「香港国家安全維持法」への抗議活動で警察官を襲撃し負傷させた疑いで、24歳の男を空港で逮捕した。

1日に行われた抗議活動で、警察は催涙スプレーや放水銃でデモ隊の排除に乗り出した。また、ツイッターで腕から血を流している警官の写真を投稿、「デモ隊が鋭利なもので」切り付けたとした。犯人は逃走し、周りの人は警官を助けなかったという。

警察当局の報道官はロイターに、逮捕された男が香港を去ろうとしていたのか、空港の職員なのかは明かさなかった。

香港紙・蘋果日報は匿名筋の話として、容疑者は深夜に出発するロンドン行きのキャセイ・パシフィック航空便に搭乗していたと報じた。

ある目撃者は、離陸の約10分前にキャセイ便の搭乗口の近くに警察の車両3台が現れ、10人前後の機動隊員が機内まで駆け上がったと語った。

キャセイ・パシフィックからコメントは得られていない。

香港の梁振英・前行政長官は1日、香港国家安全維持法違反を逃れようとする者の逮捕を支援した人に対して50万香港ドル(6万4513米ドル)の報奨金を出すとフェイスブックに投稿した。支援者の匿名性は守られると説明した。

警察当局は1日、違法集会などの疑いで370人前後を逮捕したと公表。そのうち10人は国家安全法違反だとした。

国家安全維持法は、国家分裂、政権転覆、テロ活動、外国勢力との結託の4種類の活動を犯罪行為と定め、最高刑として終身刑を科す。

2日付の中国共産党機関紙、人民日報は論評で、香港国家安全維持法の成立は「繁栄と安定」をもたらすと評価。「国家の安全を守る際に存在する法律の抜け穴が、香港社会に重い代償を払うことを余儀なくしているという事実に、我々は向き合う必要がある」と指摘した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルのソマリランド国家承認、アフリカ・アラブ

ワールド

ミャンマーで総選挙投票開始、国軍系政党の勝利濃厚 

ワールド

米、中国の米企業制裁「強く反対」、台湾への圧力停止

ワールド

中国外相、タイ・カンボジア外相と会談へ 停戦合意を
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌や電池の検査、石油探索、セキュリティゲートなど応用範囲は広大
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 7
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 8
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 9
    【クイズ】世界で最も1人当たりの「ワイン消費量」が…
  • 10
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中