ニュース速報

ワールド

世銀、欧州・中央アジア新興国の20年成長率予想を大幅引き下げ 

2020年04月09日(木)14時45分

 4月8日、世界銀行は、欧州と中央アジア地域の発展途上国と新興国の2020年の成長率予想について、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に大幅に引き下げた。写真は世界銀行のロゴ。バリ島のヌサドゥアで2018年10月撮影(2020年 ロイター/Johannes P. Christo)

[ワシントン 8日 ロイター] - 世界銀行は8日、欧州と中央アジア地域の発展途上国と新興国の2020年の成長率予想について、新型コロナウイルスの感染拡大を理由に大幅に引き下げた。ただ、2021年には急速な回復が見込めると指摘した。

世銀によると、基本シナリオ下で、20年の成長率はマイナス2.8%、より深刻なシナリオではマイナス4.4%に落ち込む見通し。3カ月前には5.4─7%の成長を予想していた。対象国には、ブルガリア、ハンガリー、リトアニア、ポーランド、セルビア、ベラルーシ、ウクライナ、グルジア、カザフスタンなどが含まれる。

「パンデミック(世界的な流行)は、内需を圧迫し、コモディティ価格に一段の下押し圧力を加え、密に結びつく世界や地域のサプライチェーンを混乱させ、旅行者や観光客の減少、対象地域の輸出需要縮小を招き、短期見通しに影響を与えることは間違いない」と指摘。基本シナリオではなく、より深刻なシナリオになる可能性が高まっているとの見方を示した。

これらの国々の19年の経済成長率は2.2%と、18年の4.3%から鈍化しており、新型コロナ危機は既に低迷している景気に追い打ちをかけていると指摘した。

一方、21年には急速な回復が期待でき、5.6─6.1%の成長率が見込まれるとした。ただ、景気回復はウイルス感染防止に向け導入されている措置が解除される時期、コモディティ市況の改善、および、ユーロ圏の景気回復ペースに左右されるとの見方を示した。

政策当局者は、人々の命を救うため決断力を持って行動する一方、ウイルス感染拡大による経済的打撃を最小限に抑える必要があるが、これらの国々の多くは既に高水準の債務を抱えており、危機に対応する準備が整っていないと指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平の進展期待 ゼレンスキー

ワールド

北朝鮮の金総書記、巡航ミサイル発射訓練を監督=KC

ビジネス

マクロスコープ:高市氏が予算案で講じた「会計操作」

ワールド

中国、改正対外貿易法承認 貿易戦争への対抗能力強化
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中