ニュース速報

ワールド

台湾中銀、追加利下げの余地ある 中小企業に追加支援も=総裁

2020年03月30日(月)16時30分

 3月30日、台湾中銀の楊金龍総裁は、議会で、追加利下げの余地はあるが、政策金利をゼロあるいはマイナスまで引き下げることはないと表明した。写真は台湾中銀のロゴ。台北で2018年2月撮影(2020年 ロイター/Tyrone Siu)

[台北 30日 ロイター] - 台湾中銀の楊金龍総裁は30日、議会で、追加利下げの余地はあるが、政策金利をゼロあるいはマイナスまで引き下げることはないと表明した。

総裁はまた、新型コロナウイルス流行で打撃を受けた中小企業の支援にあたり、すでに発表済みの2000億台湾ドル(66億1000万米ドル)の銀行向け資金で足りない場合、政府は追加資金を提供すると述べた。

中銀は今月、2016年第2・四半期以来となる利下げを決定。政策金利を25ベーシスポイント(bp)引き下げ、過去最低の1.125%とした。中銀はまた、レポ取引を拡大し、銀行に2000億台湾ドルを供給することも発表した。[nL4N2BC3DD]

楊総裁は、新型ウイルスの流行が今年第3・四半期あるいは第4・四半期まで続く場合、台湾経済が2%の成長率を維持できる可能性は小さくなると発言。中銀は今月利下げを発表した際、通年の成長率見通しを1.92%とし、昨年12月時点の2.57%から引き下げていた。

楊総裁は、統計局が第1・四半期の経済指標の発表後に域内総生産(GDP)見通しを調整するとの見方を示した。

一部の銀行は台湾の今年の成長率見通しを中銀予想を下回る水準まで引き下げており、INGはプラス0.8%からマイナス0.4%に下方修正した。

一方、楊総裁は、新型コロナの金融市場への影響はこれまでのところ2008年の時ほど深刻ではないとし、システム内の流動性は十分にあるため金融危機は起こらないと述べた。

また、新型ウイルスの影響は、2002─03年の重症急性呼吸器症候群(SARS)流行時よりも長く、深刻ではあるが、短期にとどまると見込んだ。

台湾は新型コロナの打撃緩和に向けて600億台湾ドルの経済対策を打ち出しており、蔡英文総統は追加で400億台湾ドルの拠出が可能だとしている。

台湾では、新型ウイルスの感染者がこれまでに306人、死者5人で、アジアの他の国と比べるとかなり少ない。これは初期段階での厳格な感染拡大防止策の実施と高度な医療体制のためとされる。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:動き出したECB次期執行部人事、多様性欠

ビジネス

米国株式市場=ダウ493ドル高、12月利下げ観測で

ビジネス

NY外為市場=円急伸、財務相が介入示唆 NY連銀総

ワールド

トランプ氏、マムダニ次期NY市長と初会談 「多くの
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワイトカラー」は大量に人余り...変わる日本の職業選択
  • 4
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 5
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中