ニュース速報

ワールド

米、メキシコ国境沿いに5200人強の米兵派遣 移民集団対策を強化

2018年10月30日(火)10時26分

 10月29日、米政府はメキシコ国境沿いの警備を補強するため、米軍の実戦部隊5200人強を派遣すると発表した。写真はグアテマラとメキシコ国境の川を渡る集団(2018年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)

[ワシントン 29日 ロイター] - 米政府はメキシコ国境沿いの警備を補強するため、米軍の実戦部隊5200人強を派遣すると発表した。トランプ大統領は不法移民問題を11月6日の中間選挙の主要争点に掲げており、支持層に対策強化をアピールする狙いがあるとみられる。

メキシコ国境に派遣する兵士は、これまで米当局者らが予想していた800─1000人を大幅に上回り、イラク駐留の米軍部隊に匹敵する規模となる。中米から米国入りを目指して北上している移民集団(キャラバン)の阻止を目指す姿勢が鮮明となった。

米北方軍のオショーネシー司令官は、「大統領は国境警備が国家安全保障の問題であることを明確にしてきた」と強調。

司令官は派遣部隊の一部は武装することになると明かしたが、武装が必要となる兵士の詳細は不明。米当局者らはこれまで、軍部隊は直接国境警備には当たらず、テントやバリケードの設営など後方支援を担うと説明していた。

トランプ大統領は29日、ツイッターで、米軍が移民集団を待ち受けることになると投稿し、軍部隊が移民阻止で直接的な役割を果たす可能性を示唆した。

米税関・国境警備局の幹部、ケビン・マクアリーナン氏によると、米国入りを目指してメキシコ南部を約3500人の移民集団が北上しているほか、グアテマラとメキシコの国境沿いには約3000人の集団が移動しているという。

トランプ政権の4月の要請を受け、メキシコとの国境沿いでは現在2100人の州兵が警備に当たっている。今回はこれに増派する形となる。州兵は主に非常勤兵士から成り立っており、これまでは州兵が移民阻止のために動員されていた。

当局者らによると、実戦部隊を派遣することで国防総省は従来よりも素早い部隊の動員が可能になるという。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:米援助削減で揺らぐ命綱、ケニアの子どもの

ワールド

訂正-中国、簡素化した新たなレアアース輸出許可を付

ワールド

情報BOX:米国防権限法成立へ、ウクライナ支援や中

ビジネス

アングル:米レポ市場、年末の資金調達不安が後退 F
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    【銘柄】「日の丸造船」復権へ...国策で関連銘柄が軒…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 5
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 6
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 7
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 10
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中