ニュース速報

ワールド

王中国外相が国連演説、「恐喝や圧力に屈せず」 貿易巡り

2018年09月29日(土)02時14分

[国連/ニューヨーク 28日 ロイター] - 中国の王毅外相は28日、米中間の貿易摩擦を受けパニックに陥る理由はないとしつつも、中国は貿易を巡り脅しや圧力に屈することはないと言明した。

王外相は国連総会で演説し、「保護主義は自国に害を与え、一方的な行動はすべてにダメージを及ぼす」と強調。対話で得たコンセンサスやルールに基づく方法で貿易摩擦を適切に解決することを支持するとし、「中国は恐喝や圧力に屈することはない」と述べた。

これに先立ち、同外相はニューヨークの外交問題評議会で、米中が関係維持に向けた具体的な措置を講じる必要があるとの認識を示した。

「関係が緊密になるに従って、利益もより複雑に絡み合ってくる。それに伴いさまざまな疑惑、さらに摩擦が派生する可能性がある」とし、「これは驚くことでも、パニックに陥る理由でもない」と語った。

さらに、中国に進出する海外企業に技術移転を強制したとの指摘を否定し、中国市場について不満を言う米国企業は多数派とみていないと述べた。

また、経済がロシアと相互に補完し合う中、同国との経済関係を深め、国際問題でも協調しているとした。

北朝鮮の非核化に向けた取り組みについては、中国との協力強化が鍵になると指摘。さらに、平和維持に向けたメカニズム創設を提案したほか、米国に対しては北朝鮮にさらなるインセンティブを提供するよう要請。「米国が適時かつポジティブな対応をすることが適切と確信している。そうすれば、北朝鮮と真の譲歩を実現できる」と述べた。

南シナ海で中国は「最大限の自制」を行い、平和的な解決を模索しているとし、南シナ海諸島の主権は中国にあり、米軍の警戒活動を受け、島民らが防衛強化の必要性を実感しているとした。

中国が覇権を求めているとの見方は誤りで、米国に挑むことはないとの考えも示した。

このほか、一部アフリカ諸国の債務問題の原因は中国でないと説明、中国経済について高速度成長から質の高い成長に変わりつつあるとの認識も示した。

*内容を追加して再送します。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中