ニュース速報

ビジネス

ANAとJAL、水際緩和にらみ国際線予約増 ビザ免除・個人旅行解禁で

2022年09月23日(金)12時33分

新型コロナウイルスの水際対策が本格的に緩和されるのを前に、国内航空会社の国際線予約数が増えている。写真は2013年8月、東京の羽田空港で撮影(2022年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 23日 ロイター] - 新型コロナウイルスの水際対策が本格的に緩和されるのを前に、国内航空会社の国際線予約数が増えている。緩和報道が出始めた8月下旬ごろから上向き、全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)ともに増加基調にある。22日には岸田文雄首相が10月11日から制限を大幅に緩和する方針を正式に表明。円安で訪日客の回復が見込まれる中、記者団の取材に応じたANAの井上慎一社長はさらなる需要拡大に期待を示した。

ANAホールディングス傘下のANAは23日、12月1日から来年1月31日までの搭乗分(1日当たり平均)について、ビザ(査証)免除や個人旅行受け入れ再開などの緩和検討が報じられた9月11日の前後1週間を比べ、日本発の予約が1.5倍、海外発が倍増したことを明らかにした。10月分は、ワクチン3回接種を条件とした海外出国72時間前の陰性証明免除などの規制緩和が伝わった8月24日の前後1週間の比較で、日本発が約4倍、海外発(日本経由を除く)が約3倍に伸びた。

JALの10月搭乗分も、9月8─14日の週に入った予約数が8月25─31日の週と比べて日本発が約1.6倍、海外発は1.5倍となった。

岸田首相は日本時間22日夜、訪問先の米ニューヨークで会見し、10月11日から1日当たり入国者数の上限を撤廃すると表明した。短期滞在ビザ取得免除や個人旅行受け入れも解禁する。同じ日から全国対象の旅行支援策やイベント事業などを対象にした消費喚起策を始める方針も明らかにした。

ANAの井上社長は23日午前、東京・羽田空港で記者団の取材に応じ、足元の円安進行も「外国人にとって大きな魅力」と指摘。「インバウンド(訪日客)はコロナ前に5兆円の消費があり、経済効果は大きい」と水際対策の緩和表明を歓迎した。

一方、円安は日本発の旅客には逆風となる。物の値上げも相次ぎ、旅行需要の回復遅れも懸念されるが、井上社長は、コロナ禍で旅行へ行けなかったストレスが利用者に溜まっていると説明。「旅行に行きたいというお客様の想いは強い。例えば、ホノルル線には今も強い需要があり、ポジティブに考えている」と語った。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエルとイランの対立拡大回避に努力=

ワールド

G7外相、ロシア凍結資産活用へ検討継続 ウクライナ

ビジネス

日銀4月会合、物価見通し引き上げへ 政策金利は据え

ワールド

アラスカでの石油・ガス開発、バイデン政権が制限 地
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中