ニュース速報

ビジネス

英GDP、6月は予想上回る前月比0.6%減 景気後退懸念強い

2022年08月12日(金)18時31分

 8月12日、英国立統計局(ONS)が発表した6月の国内総生産(GDP)は前月比0.6%減だった。写真は2016年10月、ロンドンで撮影(2022年 ロイター/Hannah McKay)

[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した6月の国内総生産(GDP)は前月比0.6%減だった。ロイターがまとめた市場予想は1.3%減。

2021年1月以来の大幅な減少となったが、予想ほどは落ち込まなかった。ただ小売りや外食など生計費上昇の影響を大きく受ける業種が低迷した。

6月はサービス部門が0.5%減と、GDPを押し下げた。エリザベス女王の即位70周年を祝う記念行事「プラチナ・ジュビリー」でバンクホリデーが増えたため、マイナス成長が予想されていた。

6月の営業日は2日少なかった。しかし実際にGDPを押し下げた主な要因は新型コロナウイルス関連の医療サービスの縮小だった。

パンテオン・マクロエコノミクスのエコノミスト、サミュエル・トムズ氏は7月のGDPはプラス成長に転じる可能性が高いとの見方を示した。

第2・四半期のGDPは前期比0.1%減。市場予想は0.3%減だった。

GDP統計は予想を上回ったが、小売りやレストランなどの接客業が生計費上昇で低迷した。

6月のGDPは新型コロナウイルス流行前の20年2月の水準を0.9%上回ったが、接客業は4.9%下回っている。

ザハウィ財務相は6月のGDPについて、民間部門の「真の底堅さ」を示していると述べた。一方エコノミストの多くはリセッション(景気後退)入りを予想している。

ICAEWのエコノミクスディレクター、スレン・シル氏は「英経済は景気後退に近づいており、最悪の事態はまだ来ていない」と述べた。

ONSによると、6月の貿易赤字は228億5000万ポンドと3カ月ぶりの高水準となった。欧州連合(EU)向けを中心に輸出が低迷した。

パンテオンのトムズ氏は「全体として貿易統計は低調で、今後数カ月はさらに悪化する」と指摘。海外投資家からの資金流入が減少すれば、ポンドはさらに脆弱になるとの見方を示した。

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウ代表団、今週会合 和平の枠組み取りまとめ=ゼレ

ビジネス

ECB、利下げ巡る議論は時期尚早=ラトビア中銀総裁

ワールド

香港大規模火災の死者83人に、鎮火は28日夜の見通

ワールド

プーチン氏、和平案「合意の基礎に」 ウ軍撤退なけれ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中