ニュース速報

ビジネス

午後3時のドルは128円前半、連日の20年ぶり高値更新 円安けん制にも反応薄

2022年04月19日(火)15時54分

 4月19日、午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(126.97/01円)に比べて大幅高の128.15/17円で推移している。写真は米ドル紙幣。2009年11月撮影(2022年 ロイター/Rick Wilking)

[東京 19日 ロイター] - 午後3時のドルは、前日のニューヨーク市場終盤(126.97/01円)に比べて大幅高の128.15/17円で推移している。米金利が高水準で推移していることや原油価格が再び上昇基調にあることなどから円安基調は根強く、円安に言及した要人発言などへの反応も鈍くなってきている。ドルは連日2002年5月以来の高値を更新しているが、きょうも騰勢は衰えず東京時間に1円以上、上昇した。

ドルは朝方から127円前半で堅調で、午後1時過ぎには一時128.23円と日中安値(126.98円)から1円以上、高い水準まで上値を伸ばした。高値を付けた後も128円台をしっかり維持している。

三井住友ⅮSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト・市川雅浩氏は「かなりドル高が勢いづいており、買われ過ぎている状況」だと指摘。手掛かりとされている日米の金利差拡大は新しい材料ではないため「投機的なドル買いの動きの印象が強い」という。

市川氏は、短期的には利益確定売りが出る可能性はあっても「目先は130円台まで上昇する可能性もあり、そう遠い水準ではない」とみている。

ここのところドル/円は急ピッチで上昇していることから政府関係者などからは円安をけん制するような発言が相次いでおり、きょうも鈴木俊一財務相が円安について「プラスの面もあるが、現状の経済状況を考えるとデメリットは強い」などと述べた。

しかし「インフレ抑制を全面に打ち出している米国側が、円買い介入に協調する流れにはならないのではないか」(SMBC信託銀行のマーケットアナリスト・合澤史登氏)とみられることなどから、政府・日銀が実際に円買い介入に踏み切る可能性は低いとの見方が多くなっており、口先介入の効果は徐々に薄れつつある。

その中で注目されるのが、今週20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に合わせて行われる予定の日米財務相会合で、「もし(会合後に)円安抑制のために何か方針が示された場合は市場にとってはサプライズで、ドル高/円安の巻き戻しが起こるとみられる」(合澤氏)という。

クロス円でも円安傾向は強く、ユーロは一時138.14円と15年8月以来、英ポンドは166.57円付近と16年2月以来の高水準で取引されている。

日本以外の主要国は金融政策正常化に向けて進んでいるため「クロス円も円安が進みやすい状況が続きそうだ」(三井住友ⅮSアセットマネジメント・市川氏)という。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 128.15/17 1.0771/75 138.07/11

午前9時現在 127.13/15 1.0778/82 137.04/08

NY午後5時 126.97/01 1.0780/84 136.91/95

ロイター
Copyright (C) 2022 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏やエジプトなどの仲介国、ガザ停戦に関する

ワールド

トランプ氏、ゼレンスキー氏と17日会談 トマホーク

ワールド

トランプ氏、ガザ停戦でエジプトの役割を称賛 和平実

ワールド

トランプ氏、イランと取引に応じる用意 「テロ放棄が
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 3
    車道を一人「さまよう男児」、発見した運転手の「勇敢な行動」の一部始終...「ヒーロー」とネット称賛
  • 4
    メーガン妃の動画が「無神経」すぎる...ダイアナ妃を…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    筋肉が目覚める「6つの動作」とは?...スピードを制…
  • 7
    連立離脱の公明党が高市自民党に感じた「かつてない…
  • 8
    1歳の息子の様子が「何かおかしい...」 母親が動画を…
  • 9
    ウィリアムとキャサリン、結婚前の「最高すぎる関係…
  • 10
    あなたの言葉遣い、「AI語」になっていませんか?...…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな飼い主との「イケイケなダンス」姿に涙と感動の声
  • 3
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル賞の部門はどれ?
  • 4
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 5
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 6
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 7
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 8
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ…
  • 9
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 10
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
  • 10
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中