仏・スイス中銀、デジタル通貨による越境決済の実証実験実施へ

　６月１１日　スイス国立銀行とフランス銀行（中央銀行）は、欧州で初となる、中央銀行デジタル通貨による越境決済の大規模な実証実験を開始すると発表した。写真は２０２０年５月、スイスのベルンで撮影（２０２１年　ロイタ/Arnd Wiegmann）

［チューリヒ／ロンドン　１０日　ロイター］ - スイス国立銀行とフランス銀行（中央銀行）は、欧州で初となる、中央銀行デジタル通貨による越境決済の大規模な実証実験を開始すると発表した。

実験は、銀行間の多額の融資決済で実施される。デジタルユーロとデジタルスイスフランが本格的にテストされるのは初めて。

スイスの金融大手ＵＢＳ、同クレディ・スイス、仏資産運用大手ナティクシス、スイスでデジタル資産の取引・​決済代行サービスを提供するＳＩＸデジタルエクスチェンジなども参加する。

仏中銀のグラール副総裁は「ユーロ圏は、決済のデジタル化に向けた『強いトレンド』に適応している」と指摘。「中銀間の大規模決済をデジタル化することで、金融取引の安全性と効率性を最大限に高めることが可能という潜在的なメリットを確信している」と述べた。

両中銀の協力関係は、スイスとフランスの間に横たわる山脈にちなんで「ジュラ」と呼ばれている。