ニュース速報

ビジネス

EXCLUSIVE-中国当局、足元の元高容認 急激な動きには対応も=関係筋

2020年12月05日(土)03時24分

中国当局は人民元が2年半ぶりの水準に値上がりしていることについて、国内の景気回復が加速していることもあり当面は容認する構えだが、値上がりのスピードが急激であったり経済に悪影響を及ぼすようであれば対応に乗り出す可能性もある(2020年 ロイター/Thomas White)

[北京 4日 ロイター] - 中国当局は人民元が2年半ぶりの水準に値上がりしていることについて、国内の景気回復が加速していることもあり当面は容認する構えだが、値上がりのスピードが急激であったり経済に悪影響を及ぼすようであれば対応に乗り出す可能性もある。内部の政策議論に詳しい複数の関係者が明らかにした。

人民銀の元政策顧問で政府系エコノミストの余永定氏は「元高が中国経済のファンダメンタルズに支えられている」と指摘。「大規模な資本の流入や流出によるショックはうかがえず、介入の必要はない」とし、「為替レートは主に経常収支によって変動している」と述べた。

人民元はこの日、1ドル=6.5302元で取引を終了。年初以降では6.6%値上がりしており、このまま年末まで推移すれば年間で2017年(6.8%)以来の大幅な値上がりとなる。ただ、ドルは通貨バスケットに対し6%近く下落していることから、人民元の変動幅が特段大きいとは言えない。

一部の政策顧問らは、人民元が6.4元とさらに2%上昇する可能性もあるとしており、投機的なホットマネー(短期資金)の流入で国内の輸出業者が打撃を受けた場合、当局が対応に乗り出すことはあり得るという。

人民銀からのコメントは得られていない。

トレーダーや投資家らは、来年にかけて元の一段高を見込む。多額の外貨を保有する輸出筋が、年末までの支払い手段を確保するためドルから元への両替を開始すると予想され、これが元を押し上げるとみられている。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください。)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

EUと南アが重要鉱物に関する協力協定、多国間主義維

ビジネス

BNPパリバ、中核的自己資本比率目標引き上げ 27

ビジネス

米アボット、がん検査エグザクトサイエンスを230億

ワールド

中国、仏製戦闘機ラファールの販売妨害で偽情報作戦=
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 8
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 9
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中