ニュース速報

ビジネス

米株はナスダック最高値、年末商戦が本格スタート

2020年11月28日(土)05時49分

11月27日、 半日立会いとなった米国株式市場では主要株価指数が上昇し、ナスダック総合が終値で過去最高値を更新した。米国では入院している新型コロナウイルス感染者が過去最多となる中、年末商戦が本格的にスタートした。写真は24日、ニューヨーク証券取引所(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 27日 ロイター] - 半日立会いとなった27日の米国株式市場では主要株価指数が上昇し、ナスダック総合が終値で過去最高値を更新した。米国では入院している新型コロナウイルス感染者が過去最多となる中、年末商戦が本格的にスタートした。

新型コロナ禍で好調だったハイテク関連株が買われ、ナスダック総合を押し上げた。一方、経済情勢に敏感なシクリカル(景気循環)銘柄は売られた。

週間では主要3指数がいずれも上昇。今週はS&P総合500種が終値ベースの最高値を更新し、ダウ工業株30種が史上初の3万ドル台乗せを達成した。

スパルタン・キャピタル・セキュリティーズのチーフ市場エコノミスト、ピーター・カーディロ氏は「きょうは短縮取引で商いも薄かった。唯一言えるのは上昇トレンドはまだ揺らいでいないということだ」と指摘。12月は11月ほどの上昇ではないにしろ年末ラリーが期待されるとした。

米年末商戦の幕開けとされる「ブラックフライデー」を迎えた27日、主要小売店にはマスクを着用した買い物客が列をなしたが、その数は例年より少なかった。各社がオンライン向けの販売セールを前倒しで実施したほか、新型コロナウイルスの感染拡大を巡る懸念が客足を遠のかせた。

カーディロ氏は、ブラックフライデーについてパンデミック(世界的大流行)の影響により客足は減少したが、オンライン販売は過去最高に達しており、これが好材料だと述べた。

新型コロナワクチンを巡っては、英政府が27日、英製薬大手アストラゼネカのワクチンを一時的に供給するため、英国医薬品庁(MHRA)に評価するよう要請した。

一方、米国では入院している感染者数が27日、初めて9万人を超えた。入院患者数は過去1カ月で倍増し、病院の対応能力は逼迫。感謝祭の祝日で人の移動が増える中、状況悪化が懸念されている。

S&P主要11セクターでは、ヘルスケアが上昇率トップ、エネルギーが下落率トップとなった。

新型コロナ危機下で底堅く推移していた半導体株も買われ、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.2%高と主要株価指数をアウトパフォームした。

個別株では、米娯楽大手ウォルト・ディズニーが1.3%安。テーマパークを中心に2021年上半期に3万2000人をレイオフすると発表したことを受けた。新型コロナ流行で顧客が制限され苦境に陥る中、9月に発表していた2万8000人から拡大する。

一方、米電気自動車(EV)大手テスラは2.0%高。米運輸省の道路交通安全局が、フロントサスペンションの安全問題を巡りテスラ車11万5000台について調査すると発表したが、影響は乏しかった。

中国の大手検索サイト・百度(バイドゥ)傘下の動画配信サービス「愛奇芸(iQIYI)」の米上場株は1.7%安。アリババ・グループと騰訊控股(テンセント・ホールディングス)が愛奇芸買収を巡る協議を保留しているとロイターが報じた。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.36対1の比率で上回った。ナスダックでは1.73対1で値上がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は68億2000万株。直近20営業日の平均は110億3000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 29910.37 +37.90 +0.13 29911.3 30015. 29819.

3 13 98

前営業日終値 29872.47

ナスダック総合 12205.85 +111.44 +0.92 12159.1 12236. 12154.

8 23 57

前営業日終値 12094.40

S&P総合500種 3638.35 +8.70 +0.24 3638.55 3644.3 3629.3

1 3

前営業日終値 3629.65

ダウ輸送株20種 12561.43 -59.99 -0.48

ダウ公共株15種 873.18 -7.80 -0.89

フィラデルフィア半導体 2631.56 +31.32 +1.20

VIX指数 20.84 -0.41 -1.93

S&P一般消費財 1280.15 +2.88 +0.23

S&P素材 449.53 +1.77 +0.39

S&P工業 748.75 -1.65 -0.22

S&P主要消費財 686.83 -0.39 -0.06

S&P金融 471.52 -1.98 -0.42

S&P不動産 227.66 -0.51 -0.22

S&Pエネルギー 289.99 -3.67 -1.25

S&Pヘルスケア 1272.68 +12.02 +0.95

S&P通信サービス 216.99 +1.34 +0.62

S&P情報技術 2153.93 +10.94 +0.51

S&P公益事業 322.46 -3.14 -0.97

NYSE出来高 5.53億株

シカゴ日経先物12月限 ドル建て 26785 + 155 大阪比

シカゴ日経先物12月限 円建て 26775 + 145 大阪比

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

プーチン氏「圧力に屈せず」、ロに長距離攻撃なら「深

ワールド

米政権、航空便の混乱悪化を警告 政府閉鎖長期化で

ワールド

トランプ氏、サンフランシスコへの州兵派遣計画を中止

ワールド

トランプ氏、習主席と30日に韓国で会談=ホワイトハ
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 3
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺している動物は?
  • 4
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 5
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 6
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 7
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 8
    「石炭の時代は終わった」南アジア4カ国で進む、知ら…
  • 9
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 10
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中