ニュース速報

ビジネス

小売業販売、9月はコロナ禍続き8.7%減 基調判断「横ばい」に下方修正

2020年10月29日(木)10時46分

 10月29日、経済産業省が発表した9月の商業動態統計速報によると、小売業販売額(全店ベース)は前年比8.7%減となった。東京都で16日撮影(2020年 ロイター/Issei Kato)

[東京 29日 ロイター] - 経済産業省が29日公表した商業動態統計速報によると、9月の小売業販売額は前年比8.7%減の12兆1010億円となり7カ月連続のマイナスだった。コロナ禍による消費低迷が直撃した。経産省は基調判断を「横ばい傾向」に下方修正した。

ロイターの事前予測調査では7.7%減が予想されていたが、これを下回った。前年9月に消費増税前の駆け込み需要で伸び率が拡大していた反動もあった。ドラッグストアの販売が5年半ぶりにマイナスに転じた。

<前月比は横ばい、基調判断引き下げ>

前月比ではほぼ横ばいだった。経産省は基調判断を従来の「緩やかに持ち直している」から「横ばい傾向」に下方修正した。収入・所得減による消費への影響については「現時点では判断できない」(経産省幹部)としている。

業種別では百貨店など各種商品が前年比24.4%減、機械器具も同24.4%減、織物・衣服が同23.5%減、自動車が同16.4%減など大きく落ち込み、飲食料品を除く全業種がマイナスだった。飲食料品は前年比1.4%増だった。

<スーパー8カ月ぶり、ドラッグストア5年半ぶりマイナス>

業態別では百貨店が、外国人旅行客の減少が響き前年比34.0%減と落ち込んだ。新型コロナウイルスの感染拡大による在宅需要で好調だったスーパー販売も前年比3.0%減と8カ月ぶりにマイナスに転じた。「買いだめ需要が落ち着いた」(経産省幹部)とみられる。コンビニエンスストアはおにぎり・調理パン販売の不振で前年比3.1%減と7カ月連続のマイナス。

家電量販店も前年比29.0%減と5カ月ぶりのマイナス。エアコンや冷蔵庫などの販売が不振だったほか、コロナによるパソコンなどの「在宅需要も落ち着いてきた」(経産省幹部)。

取り扱い商品の拡大で売り上げの増加基調が長く続いてきたドラッグストアの販売も前年比8.2%減となり2015年3月以来5年半ぶりのマイナスとなった。外国人観光客の減少による化粧品販売の落ち込みや、「感染症対策の徹底により風邪をひく人が少なくなった」(経産省幹部)ことが響いた。

*内容を追加しました。

*経産省の発表資料は以下のURLでご覧になれます。  http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/syoudou/index.html

(竹本能文 編集:山川薫)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

北朝鮮の金与正氏、日米韓の軍事訓練けん制 対抗措置

ワールド

ネパール、暫定首相にカルキ元最高裁長官 来年3月総

ワールド

ルイジアナ州に州兵1000人派遣か、国防総省が計画

ワールド

中国軍、南シナ海巡りフィリピンけん制 日米比が合同
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人に共通する特徴とは?
  • 2
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェイン・ジョンソンの、あまりの「激やせぶり」にネット騒然
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 5
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 6
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 9
    村上春樹は「どの作品」から読むのが正解? 最初の1…
  • 10
    腹斜筋が「発火する」自重トレーニングとは?...硬く…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 6
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 7
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 8
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 9
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 10
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 6
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 7
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大…
  • 8
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中