ニュース速報

ビジネス

コマツ、今期予想上方修正 中国の建機需要の強さ「想定以上」

2020年10月28日(水)18時38分

 コマツは28日、2021年3月期(今期)の連結業績予想(米国会計基準)を上方修正したと発表した。写真は南米チリで2017年5月撮影(2020年 ロイター/Ivan Alvarado)

[東京 28日 ロイター] - コマツ<6301.T>は28日、2021年3月期(今期)の連結業績予想(米国会計基準)を上方修正したと発表した。営業利益は前期比46.6%減の1340億円となる見通しで、従来予想の1150億円から190億円上振れる。建設器械・車両部門の中国、日本、北米などでの需要が従来の想定を上回るほか、固定費削減などを織り込んだ。

修正後の営業利益予想は、リフィニティブが算出したアナリスト16人の予測平均(1387億円)を下回っている。

今期の売上高予想は同13.3%減の2兆1190億円と従来の2兆0680億円から上方修正。純利益予想も48%減の800億円と従来の670億円から引き上げた。

期末配当も従来予想の18円から7円増額し、1株あたり25円とする。第2・四半期末の配当は従来予想通りの18円。年間配当は前期実績からは51円減配となるが、43円とする。

油圧ショベルなど主要7建機の今期需要については、今期見通しを初めて公表した7月の時点では前期に比べ「20%減─10%減」と想定していたが、今回は「15%減─5%減」へと上方修正した。中国やオセアニアの需要が増加しているほか、その他の地域でも減少幅が大きく縮小しているため。

中国における主要7建機の需要は第2・四半期(7─9月期)は前年同期比42%増だった。引き続き堅調に推移するとみており、7月時点では「10%増─20%増」と見込んでいた今期の需要見通しを「30%増―40%増」へ引き上げた。

小川啓之社長は同日の電話会見で「中国の第2・四半期の需要が大きく伸びた。7月の見通しでも堅調に推移すると見込んでいたが、景気の回復により想定以上に需要が強い状況が続いている」と述べた。一方、新型コロナウイルス感染者が再び増えている欧州の影響は、今回の業績見通しに「織り込んでいない」と説明した。

同日発表した20年4─9月期連結決算(米国会計基準)では、営業利益が前年同期比57.5%減の603億円だった。売上高は同21.1%減の9577億円、純利益は58.6%減の372億円だった。建機・車両部門の売上高は、中国を除くすべての地域で減少。特に中国と日本を除くアジアや、北米などで大きく落ち込んだ。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

半導体製造装置販売、AIブームで来年9%増 業界団

ワールド

アルミに供給不安、アフリカ製錬所が来年操業休止 欧

ビジネス

川崎重社長、防衛事業の売上高見通し上振れ 高市政権

ワールド

インド中銀総裁「低金利は長期間続く」=FT
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を変えた校長は「教員免許なし」県庁職員
  • 4
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 5
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 6
    「住民が消えた...」LA国際空港に隠された「幽霊都市…
  • 7
    【人手不足の真相】データが示す「女性・高齢者の労…
  • 8
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 9
    FRBパウエル議長が格差拡大に警鐘..米国で鮮明になる…
  • 10
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 6
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 7
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 8
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中