ニュース速報

ビジネス

原油先物、4日続落 新型コロナ感染第2波やリビアの生産拡大を懸念

2020年10月20日(火)12時14分

 10月20日 アジア時間の原油先物相場は4営業日続落。新型コロナウイルスの感染が世界的に再拡大していることを背景に、燃料需要の回復への期待が後退している。2019年11月、テキサス州ラビング郡で撮影(2020年/Angus Mordant)

[メルボルン 20日 ロイター] - アジア時間の原油先物相場は4営業日続落。新型コロナウイルスの感染が世界的に再拡大していることを背景に、燃料需要の回復への期待が後退している。リビアの生産拡大も原油供給を増やす要因となっている。

0149GMT(日本時間午前10時49分)現在、北海ブレント原油先物は0.30ドル(0.7%)安の1バレル=42.32ドル。前日は0.31ドル下落した。

米WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は0.26ドル(0.6%)安の1バレル=40.57ドル。前日は0.05ドル下落した。

ロイターによる各国データの集計によると、世界の新型コロナウイルス感染者数は4000万人を超えた。冬を迎える北半球では、感染拡大が再び深刻になっている。

ライスタッド・エナジーの石油市場アナリストは「4月以降、石油需要は奇跡的な回復を遂げた。現時点で新型コロナ流行前の約92%に達している。だが、新型コロナ流行に伴う石油需要の崩壊が終了したと宣言するのは時期尚早だ」と指摘した。

石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」は19日の閣僚会合で、新型コロナの流行に対する懸念が強まる中、石油市場を支援する意向を示した。

OPECプラスは、現行の日量770万バレルの協調減産を来年1月から日量580万バレルに縮小する方針を維持している。

産油国の関係筋によると、必要な場合、1月からの減産縮小は変更される可能性がある。

コモンウェルス銀行の商品アナリストは「OPECプラスが来年1月1日から再開する見通しの生産量は、世界の供給量の2%前後で、石油市場がこの量を吸収できるとは思わない」と指摘。

同アナリストによると、OPECプラスの協調減産に参加していないリビアの生産拡大が、供給過剰に対する懸念を強める要因になっている。

リビアでは、武力衝突に伴い、今年1月に生産がほぼ完全に停止したが、その後、急ピッチで生産が拡大している。国内最大のシャララ油田は今月11日に操業を再開。関係者によると、同油田の生産量は現在、日量15万バレル前後で、生産能力の約半分に達している。

市場関係者は、20日発表の米石油協会(API)在庫統計に注目する見通し。ロイター調査によると、直近週の米原油・留出油在庫は減少した可能性が高い。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=ダウ436ドル安、CPIや銀行決算受

ビジネス

NY外為市場=ドル急伸し148円台後半、4月以来の

ビジネス

米金利変更急がず、関税の影響は限定的な可能性=ボス

ワールド

中印ブラジル「ロシアと取引継続なら大打撃」、NAT
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 5
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 6
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 7
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 8
    「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    歴史的転換?ドイツはもうイスラエルのジェノサイド…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中