ニュース速報

ビジネス

米株、通常取引より時間外が好調な長期トレンドに近く回帰も

2020年09月28日(月)14時42分

 9月28日、米国株式市場でリターンを追求する投資家は今月、午前の取引時間帯に落胆する日々が続いている。写真はマンハッタンで21日撮影(2020年 ロイター/Andrew Kelly)

[ニューヨーク 28日 ロイター] - 米国株式市場でリターンを追求する投資家は今月、午前の取引時間帯に落胆する日々が続いている。

ビスポーク・インベストメント・グループのデータによると、今月はこれまでのところ、通常取引が一貫して売り優勢の展開となっている。平均すると、S&P総合500種指数 <.SPX>の下げが最もきつい時間帯は米東部時間午前10─11時(日本時間午後11時─翌午前0時)で、その後も毎時間、下げを記録してきた。

S&Pは週間で4週連続で値下がりと、続落期間は1年ぶりの長さとなった。

ビスポークのストラテジストは25日のリポートで「序盤30分のかなり控えめな上昇を除けば、残る取引時間中は投資家が提示価格での売却に応じ、株式を売り払っている」と指摘。

9月の米株式相場は一方、引け後の時間外取引が通常取引よりも好調に推移する長期トレンドに近づいた。年初から8月までは概ね、通常取引が相対的に好調だったのとは対照的だ。

ビスポークによると、S&P500に連動する上場投資信託(ETF)のSPDR・S&P500ETFトラストが1993年に立ち上がって以来、時間外取引の投資収益率は722%に達しているのに対し、通常取引はマイナス8.5%となっている。

サスケハナ・フィナンシャル・グループのデリバティブ戦略共同責任者クリストファー・マーフィー氏は地政学的およびマクロ経済的な情勢が時間外取引の不調を招いた事例が最近、何回かあったと指摘。一例が2019年春に米中貿易摩擦が沸点に達した際だったという。

今年2月は、新型コロナウイルス流行への懸念の目が主にアジアに向けられていたため、米国の通常取引終了後にアジア市場が開くことから、時間外取引のリターンが低下したという。

「市場を動かす要因の多くは時間外で起きるため、総じて夜間に市場が急上昇する」とし、「米国外でショックが起きる場合は、夜間の取引が不調というまれな展開になる」と分析した。

しかし、最近の相場動向を踏まえると、時間外取引が相対的に不調な展開はもはや長くは続かないかもしれない。

ビスポークのストラテジストは「今年の早い段階で深く沈んだ」時間外取引相場は「2020年通年では再び先行する状況にどんどん近づいている」とした。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウ代表団、今週会合 和平の枠組み取りまとめ=ゼレ

ビジネス

ECB、利下げ巡る議論は時期尚早=ラトビア中銀総裁

ワールド

香港大規模火災の死者83人に、鎮火は28日夜の見通

ワールド

プーチン氏、和平案「合意の基礎に」 ウ軍撤退なけれ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果のある「食べ物」はどれ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 3
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 4
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 5
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 6
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 9
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 10
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中