ニュース速報

ビジネス

経常収支2月は黒字幅が拡大、中国からの輸入減 新型コロナ影響

2020年04月08日(水)13時00分

 4月8日、財務省が発表した国際収支状況速報によると、2月の経常収支は3兆1688億円の黒字となった。都内の港で2011年2月撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 8日 ロイター] - 財務省が8日発表した国際収支状況速報によると、2月の経常収支は3兆1688億円の黒字となった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で中国からの輸入が減少し、貿易収支の黒字幅が拡大したため。今後は輸入の停滞が輸出の減少につながり、貿易全体にマイナスに作用する可能性がある。さらに、投資収益の減少も経常収支に大きく影響しそうだ。

ロイターが民間調査機関に行った事前調査の予測中央値は3兆0619億円程度の黒字で予測を上回り、経常収支の黒字は68カ月連続となった。

貿易収支は1兆3666億円の黒字(前年同月比8772億円の黒字幅拡大)で、輸出が増加したが輸入が減少したことが背景にある。

財務省幹部は「オーストラリアからの液化天然ガスや、中国からの衣類、携帯電話などの通信機の輸入が減少した」と指摘。2月は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、中国国内で工場の停止があったことも影響しているとみている。

今後については、世界経済の減速により日本の対世界への輸出も減少していくとみられる。

サービス収支は1366億円の赤字で、2カ月連続。新型ウイルスの感染拡大を受けた訪日客の減少で、旅行収支の黒字が縮小した。

貿易・サービス収支は1兆2300億円の黒字だった。

第1次所得収支は2兆0798億円の黒字、第2次所得収支は1410億円の赤字だった。

農林中金総合研究所の南武志主席研究員は、世界経済全体が冷え込むため「投資収益の受け取りが減り、第一次所得収支の黒字幅も今後縮小する」と見込んでいる。

*誤字を修正して再送します。

(浜田寛子 編集:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

過度な為替変動に警戒、リスク監視が重要=加藤財務相

ワールド

アングル:ベトナムで対中感情が軟化、SNSの影響強

ビジネス

S&P、フランスを「Aプラス」に格下げ 財政再建遅

ワールド

中国により厳格な姿勢を、米財務長官がIMFと世銀に
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    大学生が「第3の労働力」に...物価高でバイト率、過去最高水準に
  • 4
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 5
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 6
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 7
    【クイズ】サッカー男子日本代表...FIFAランキングの…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 9
    疲れたとき「心身ともにゆっくり休む」は逆効果?...…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「リンゴの生産量」が多い国…
  • 1
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 2
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ海で「中国J-16」 vs 「ステルス機」
  • 3
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由とは?
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    ベゾス妻 vs C・ロナウド婚約者、バチバチ「指輪対決…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    時代に逆行するトランプのエネルギー政策が、アメリ…
  • 9
    「中国のビットコイン女王」が英国で有罪...押収され…
  • 10
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    数千円で買った中古PCが「宝箱」だった...起動して分…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中