ニュース速報

ビジネス

新型コロナで世界経済停止、金融危機より深刻な景気後退=IMF専務理事

2020年04月04日(土)06時34分

国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は3日、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的な経済活動は停止し、世界経済は約10年前の金融危機時よりも「はるかに深刻な」景気後退(リセッション)に陥るとの見方を示した。2月撮影(2020年 ロイター/Remo Casilli/)

[ワシントン/ジュネーブ 3日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)のゲオルギエワ専務理事は3日、新型コロナウイルスの感染拡大で世界的な経済活動は停止し、世界経済は約10年前の金融危機時よりも「はるかに深刻な」景気後退(リセッション)に陥るとの見方を示した。

ゲオルギエワ専務理事は世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長とテレビ会議方式で実施した共同記者会見で、「前代未聞の危機に見舞われている」とし、「世界経済は停止した。現在はすでにリセッションに陥っている。状況は2008─09年の世界的な金融危機時よりもはるかに深刻だ」と述べた。

その上で、新興国、および途上国が新型ウイルスの感染拡大による公衆衛生、および経済に対する影響を乗り切れるよう、先進国に対し支援を強化するよう呼び掛けると同時に、最貧国に対する債権国が新型ウイルスの封じ込めから少なくとも1年後まで債務返済の停止を認めるよう、IMFが世界銀行とWHOとともに取り組んでいることを明らかにした。

中国は最貧国に対する債権国の1つだが、ゲオルギエワ専務理事は中国がこの件に関して「建設的に」対応していると指摘。IMFは約2週間後に開かれるIMF・世銀春季総会でパリクラブ(主要債権国会議)や20カ国・地域(G20)などと個別の案件について協議するとした。

また、IMFは必要に応じて1兆ドルの資金を投入する用意ができていると表明。ルワンダなどにすでに資金を提供したことを明らかにした。

このほか、各国の中央銀行総裁、および財務相は新型ウイルスの感染拡大による影響の最小化と市場の安定化に向け、過去に例を見ない措置をすでに打ち出したと評価。ただ特に新興国の支援に向けなすべきことは多く残されているとし、資金繰りが困難になっている国を支援するために短期的な流動性供給策を設置する案について、IMF理事会が近日中に検討することを明らかにした。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

アングル:ドローン大量投入に活路、ロシアの攻勢に耐

ビジネス

米国株式市場=S&P・ナスダックほぼ変わらず、トラ

ワールド

トランプ氏、ニューズ・コープやWSJ記者らを提訴 

ビジネス

IMF、世界経済見通し下振れリスク優勢 貿易摩擦が
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは「ゆったり系」がトレンドに
  • 3
    「想像を絶する」現場から救出された164匹のシュナウザーたち
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 6
    「二次制裁」措置により「ロシアと取引継続なら大打…
  • 7
    「どの面下げて...?」ディズニーランドで遊ぶバンス…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    「異常な出生率...」先進国なのになぜ? イスラエル…
  • 10
    アフリカ出身のフランス人歌手「アヤ・ナカムラ」が…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 4
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 5
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    アメリカで「地熱発電革命」が起きている...来年夏に…
  • 8
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 9
    ネグレクトされ再び施設へ戻された14歳のチワワ、最…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中