ニュース速報

ビジネス

米ボーイング、19年通期は22年ぶり赤字 墜落機の運航停止響く

2020年01月30日(木)04時00分

米ボーイングが29日発表した2019年通期決算は、墜落事故を起こした旅客機737MAX型機の長引く運航停止が業績を圧迫し、純損益は前年の104億6000万ドルの黒字から6億3600万ドルの赤字に転落した。ニューヨーク証券取引所で昨年8月撮影(2020年 ロイター/Brendan McDermid)

[29日 ロイター] - 米ボーイングが29日発表した2019年通期決算は、墜落事故を起こした旅客機737MAX型機の長引く運航停止が業績を圧迫し、純損益は前年の104億6000万ドルの黒字から6億3600万ドルの赤字に転落した。赤字転落は1997年以来22年ぶり。

737MAXの運航停止に伴う費用は通期で146億ドルに上り、当初の見込みである80億ドルを大幅に超えた。当該費用には墜落事故の訴訟で発生し得る和解金や補償金などは含まれていない。さらに費用は今年、追加で40億ドル増える見込みだ。

ただ、市場では737MAXの関連費用が一部の予想ほど膨らまなかったとして安心感から株価が上昇。午後の取引では2%高の323ドル近辺で推移した)。株価は昨年3月以降、約4分の1目減りしている。

今月就任したカルホーン社長兼最高経営責任者(CEO)は「取り組むべき課題は山ほどある」と認めた。焦点になる737MAXの運航再開時期については、今年の年央前に再開が承認される可能性も指摘されているが、カルホーン氏は承認に向けた工程条件を満たし、年央までに承認を得ることは可能との認識を示した。

ボーイングにとって「身内」であるカルホーン氏に社内改革は無理ではないかとの批判には、過去10年間、自身が経営の最前線にいたことは事実だとした上で、企業文化の変革に取り組むと約束した。

第4・四半期の中核営業損益は25億3000万ドル(1株2.33ドル)の赤字。前年同期は38億7000万ドル(同5.48ドル)の黒字だった。アナリスト予想は1株1.47ドルの黒字だった。

四半期のフリーキャッシュフロー(純現金収支)は26億7000万ドルのマイナス。前年同期は24億5000万ドルのプラスだった。スミス最高財務責任者(CFO)はキャッシュフローの改善は21年まで見込めないと指摘した。

中型旅客機787ドリームライナーについては追加減産の意向を表明。同社は昨年、20年終盤からドリームライナーの生産機数を月間14機から12機に削減する方針を示しているが、今回さらに21年初頭以降10機に減らす予定を明らかにした。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

パキスタン首都で自爆攻撃、12人死亡 裁判所前

ビジネス

独ZEW景気期待指数、11月は予想外に低下 現況は

ビジネス

グリーン英中銀委員、賃金減速を歓迎 来年の賃金交渉

ビジネス

中国の対欧輸出増、米関税より内需低迷が主因 ECB
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一撃」は、キケの一言から生まれた
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入…
  • 7
    インスタントラーメンが脳に悪影響? 米研究が示す「…
  • 8
    中年男性と若い女性が「スタバの限定カップ」を取り…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中