ニュース速報

ビジネス

自然災害の経済的損失、2010年代は過去最大の3兆ドル=報告書

2020年01月22日(水)12時16分

 1月22日、保険仲介大手エーオンは、2010年代は自然災害による全世界の経済的損失が3兆ドルと、2000年代比で1兆ドルあまり増え、過去最大になったとの報告書を発表した。写真はタール火山の噴火による火山灰に覆われた道。フィリピンのタガイタイで14日撮影(2020年 ロイター/Eloisa Lopez)

[ロンドン 22日 ロイター] - 保険仲介大手エーオンは22日、2010年代は自然災害による全世界の経済的損失が3兆ドルと、2000年代比で1兆ドルあまり増え、過去最大になったとの報告書を発表した。

地域別で経済損失が最も大きかったのは地震、津波、サイクロンなどの災害に見舞われたアジア太平洋地域で、全体の44%を占めた。

過去に比べて気象現象が激しくなり、被災した地域の人口も増え、経済のグローバル化でサプライチェーン(供給網)の断絶が大規模になったことが経済損失の大幅拡大につながったとしている。

エーオンの気象学者、スティーブ・ボーウェン氏は「2010年代の自然災害が残した最大の教訓は、森林火災や洪水、干ばつのような『二次的』災害による損失が大幅に増えているということだ」と指摘した。

「気候変動が今後もあらゆるタイプの気象現象に影響を与え、結果として都市化が進んでいる地域に影響が及ぶことが科学研究で示されている」とした。

2019年だけで見ると、地表と海面の温度が史上2番目の高さとなったが、エーオンによると、経済・保険損害額は過去2年より少なかった。昨年の自然災害は409件あり、経済的損失は2320億ドル、保険支払い額は710億ドルになったと推計した。

ミュンヘン再保険は前週、19年の自然災害による損失は1500億ドル、保険損害額は520億ドルとの推計値を出している。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

原油先物は約1.5%安、3日続落 供給増の可能性を

ビジネス

苦境のドイツ自動車産業、 雇用が10年ぶり低水準に

ワールド

中銀主導デジタル通貨に対する米監視法案、懸念は理解

ビジネス

米ギャップ、8─10月は既存店売上高・利益が市場予
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 7
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 8
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 9
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中