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ドル、今後も最大の準備通貨 ユーロ・元の比率上昇へ=UBS
10月16日、UBSはドルが今後25年間、最大の準備通貨としての地位を維持するとの調査結果を公表した。写真は各国紙幣。北京で2016年1月撮影(2019年 ロイター/Jason Lee)
[ニューヨーク 16日 ロイター] - UBSは16日、ドルが今後25年間、最大の準備通貨としての地位を維持するとの調査結果を公表した。ユーロと人民元も、世界の外貨準備に占める比率が緩やかに上昇する見通しという。
調査は主要国中銀など公的機関を対象に実施した。
国際通貨基金(IMF)によると、世界の外貨準備に占めるドルの比率は、現在60─65%前後。ユーロは20%前後、元は2%前後となっている。
リポートの作成に関わったUBSアセット・マネジメントの戦略・助言(グローバル・ソブリン市場)担当トップ、Massimiliano Castelli氏は15日、ロイターに対し、中銀がユーロや元などへの外貨準備の分散を望むため、今後20年間でドルの比率がやや低下する可能性があると指摘。
「25年後には、ドル・ユーロ・元が3大通貨となっているだろう」とし「外貨準備に占めるドルの比率は過去25年間、60─65%の間で揺れている。今後、ドルの比率が50%、ユーロの比率が20─25%、元の比率が5─10%となり、元が第3の準備通貨となると予想できない理由はない」と述べた。
UBSはリポートで、ドルが引き続き「究極の安全通貨」としての地位を維持し、世界的にリスクが高まった場合、米国債に資金が流入するとの見方を示した。
またドルには物価と金利の世界的なアンカーとしての役割があるとも指摘。各国は貿易や借り入れを通じて、ドルへのエクスポージャーが大きくなっており、中銀は過剰なドル資産を保有せざるを得ないと分析している。
人民元については、米中貿易戦争が起きているが、中銀の間で元の保有に対する関心は薄れていないと指摘。ただ、中国経済を取り巻く不透明感を踏まえると、この問題が外貨準備に占める元の比率上昇の重しになる公算が大きいと指摘した。
人民元の長期的な配分目標については、中銀の運用担当者から平均で4.2%との回答があった。
Castelli氏は、元の大きな魅力として、高い利回りや、中国が債券など金融市場の開放を進めていることを挙げた。