ニュース速報

日経平均は急反落、米中の報復応酬嫌気し一時500円安

2019年08月26日(月)16時42分

[東京 26日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均株価は急反落。米中間での報復関税の応酬によりセンチメントが悪化し、週末の米株指数先物が軟調に推移したほか、外為市場でドル/円が一時104円台と円高に振れたことを嫌気し、全面安となった。日経平均の下げ幅は一時500円を超したものの、為替相場が落ち着きを取り戻す一方、テクニカル面で6日の直近安値2万0110円76銭が下値支持線として意識され、後半は安値圏で一進一退の動きとなった。

中国商務省は23日、米国から輸入する原油や農産物など750億ドル相当の製品に対し5─10%の追加関税を課すと発表。これに対し、トランプ米大統領は、これまでに課している2500億ドル相当の中国製品に対する関税を現在の25%から30%に引き上げると表明。さらに中国製品3000億ドルに課す追加関税「第4弾」の税率も10%から15%に引き上げるとした。

これを受けて、市場では一気に警戒感が広がったものの「ドルが104円台に定着しなかったことがプラス材料になっている。また、最近の日本株は米国株にそこまで影響されない傾向がある。これもプラス材料になっている」(運用会社)といった指摘のほか、「日銀の指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れや、月末であることから年金基金が株式組入比率を維持するための買い入れが考えられる」(国内証券)といった声も出ており、売り一巡後は下げ渋る動きとなった。

市場では「当面は、米連邦公開市場委員会(FOMC)など来月に控えるイベントが転換点になるかどうかがポイントで、それまでは不安に包まれる状況が続きそうだ」(証券ジャパン・投資情報部長の大谷正之氏)との指摘もある。

個別では、トヨタ自動車<7203.T>、ソニー<6758.T>など主力の輸出関連株が幅広く売られたほか、指数寄与度が大きいファーストリテイリング<9983.T>は、前週末比で4%を超す大幅下落。このところ堅調だった東京エレクトロン<8035.T>、SCREENホールディングス<7735.T>など半導体関連株も反落した。

TOPIXは前日比1.61%安で終了。東証33業種は全業種マイナスとなったものの、不動産業、建設業など内需関連株の下げ率が比較的小さかった。

東証1部の騰落数は、値上がり138銘柄に対し、値下がりが1979銘柄、変わらずが33銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      20261.04 -449.87

寄り付き    20325.44

安値/高値   20173.76─20329.01

TOPIX<.TOPX>

終値       1478.03 -24.22

寄り付き     1474.18

安値/高値    1465.30─1480.37

東証出来高(万株) 114028

東証売買代金(億円) 19844.55

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

欧州委、数日内にドイツを提訴へ ガス代金の賦課金巡

ワールド

日米との関係強化は「主権国家の選択」、フィリピンが

ビジネス

韓国ウォン上昇、当局者が過度な変動けん制

ビジネス

G7声明、日本の主張も踏まえ為替のコミット再確認=
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    【画像】【動画】ヨルダン王室が人類を救う? 慈悲深くも「勇ましい」空軍のサルマ王女

  • 3

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画って必要なの?

  • 4

    パリ五輪は、オリンピックの歴史上最悪の悲劇「1972…

  • 5

    人類史上最速の人口減少国・韓国...状況を好転させる…

  • 6

    アメリカ製ドローンはウクライナで役に立たなかった

  • 7

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 8

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    対イラン報復、イスラエルに3つの選択肢──核施設攻撃…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...当局が撮影していた、犬の「尋常ではない」様子

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    帰宅した女性が目撃したのは、ヘビが「愛猫」の首を…

  • 7

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 8

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 9

    温泉じゃなく銭湯! 外国人も魅了する銭湯という日本…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中