ニュース速報

ダウ急落623ドル安、米中摩擦の激化で売り膨らむ

2019年08月24日(土)08時32分

[ニューヨーク 23日 ロイター] - 米国株式市場はほぼ全面安の展開となり、ダウ平均株価<.DJI>は623ドル値下がりしたほか、ハイテク株の多いナスダック総合指数<.IXIC>も3%安で取引を終了した。中国が米国製品に対する追加報復関税を発表し、トランプ大統領も米企業に中国からの撤退を要求するなど、米中貿易摩擦が一段と激しさを増したことを嫌気し、売り注文が相次いだ。

中国商務省は同日、米国から輸入する750億ドル相当の製品に対し5─10%の追加関税を課すと発表。米国が9月1日から発動を予定する対中制裁関税「第4弾」に対する報復措置とみられる。これに対しトランプ氏はツイッターで「偉大な米企業に対し、中国の代替先を即時に模索するよう命じる。事業を米国に戻し、米国内で生産することも含まれる」「われわれに中国は必要ない。率直に言えば、中国がいない方が状況はましだろう」などと投稿した。

ハイテクや半導体関連など中国との取引が大きい銘柄が売り込まれた。半導体大手インテルは3.9%安。アップルは4.6%安。フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)<.SOX>は4.4%安。

こうした中、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は注目されたワイオミング州ジャクソンホールでの講演で、FRBが足元の景気拡大を維持すべく「適切に対応」すると表明。ただ今後どれほど速いペースで利下げを行うのか手掛かりを示さなかったため、FRBに対し繰り返し利下げ圧力を掛けているトランプ氏は痛烈にパウエル議長を批判した。

メイトリックス・アセットアドバイザーズ(ニューヨーク)の最高投資責任者(CIO)、デービッド・カッツ氏は、トランプ氏は誰にでも怒っているようだとした上で「彼は中国に怒っており、市場動向や経済の責任はパウエル(FRB議長)に負わせようとしている」と述べた。

週間では各指数とも4週連続で値下がり。S&P総合500種指数<.SPX>は過去1カ月間で5.8%下げた。

PC大手のHPインクは22日、ディオン・ワイズラー最高経営責任者(CEO、52)が11月1日付で辞任すると発表した。株価はこの日5.9%安。

ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を4.52対1の比率で上回った。ナスダックは5.27対1で値下がり銘柄数が多かった。米取引所の合算出来高は80億7000万株。直近20営業日の平均は75万8000万株。

終値 前日比 % 始値 高値 安値 コード

ダウ工業株30種 25628.90 -623.34 -2.37 26134.2 26320.2 25507.1 <.DJI>

1 9 8

前営業日終値 26252.24

ナスダック総合 7751.77 -239.62 -3.00 7943.65 8005.34 7730.77 <.IXIC>

前営業日終値 7991.39

S&P総合500種 2847.11 -75.84 -2.59 2911.07 2927.01 2834.97 <.SPX>

前営業日終値 2922.95

ダウ輸送株20種 9739.74 -333.41 -3.31 <.DJT>

ダウ公共株15種 832.03 -8.36 -0.99 <.DJU>

フィラデルフィア半導体 1446.38 -65.87 -4.36 <.SOX>

VIX指数 19.87 +3.19 +19.12 <.VIX>

S&P一般消費財 916.38 -25.96 -2.76 <.SPLRCD>

S&P素材 343.54 -8.58 -2.44 <.SPLRCM>

S&P工業 614.12 -17.06 -2.70 <.SPLRCI>

S&P主要消費財 611.45 -10.20 -1.64 <.SPLRCS>

S&P金融 431.84 -11.23 -2.53 <.SPSY>

S&P不動産 238.16 -3.11 -1.29 <.SPLRCR>

S&Pエネルギー 410.68 -14.34 -3.37 <.SPNY>

S&Pヘルスケア 1025.47 -24.34 -2.32 <.SPXHC>

S&P通信サービス 161.06 -4.30 -2.60 <.SPLRCL>

S&P情報技術 1351.11 -46.18 -3.30 <.SPLRCT>

S&P公益事業 310.52 -3.30 -1.05 <.SPLRCU>

NYSE出来高 10.47億株 <.AD.N>

シカゴ日経先物9月限 ドル建て 20195 - 525 大阪比 <0#NK:>

シカゴ日経先物9月限 円建て 20190 - 530 大阪比 <0#NIY:>

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

日中双方と協力可能、バランス取る必要=米国務長官

ビジネス

マスク氏のテスラ巨額報酬復活、デラウェア州最高裁が

ワールド

米、シリアでIS拠点に大規模空爆 米兵士殺害に報復

ワールド

エプスタイン文書公開、クリントン元大統領の写真など
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 2
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 3
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 6
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 7
    おこめ券、なぜここまで評判悪い? 「利益誘導」「ム…
  • 8
    ゆっくりと傾いて、崩壊は一瞬...高さ35mの「自由の…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 9
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中