ニュース速報

英首相、離脱阻止派を批判 「EU協力者が交渉力弱めている」

2019年08月15日(木)00時37分

[ロンドン 14日 ロイター] - 英国のジョンソン首相は14日、欧州連合(EU)離脱を阻止しようとしている一部の英議員がEUの「協力者」となり、英国の交渉力を弱めていることで、合意なき離脱の確率が高まっている批判した。

ジョンソン氏は、一部議員がEU離脱を巡る議会の決定を覆す試みを阻止する姿勢を示した数時間後、フェイスブックの質疑応答セッションで反論。「EU離脱を阻止できると考える議員と欧州の友人達との間にひどい種類の『協力』関係が存在している」とし、「われわれの欧州の友人達は譲歩する必要があるが、英議会で離脱が阻止されると彼らが考えれば考えるほど、譲歩しなくなる」と述べた。

ジョンソン氏が使った「協力者(collaborator)」との言葉は、第2次世界大戦中にナチス・ドイツに協力した人々を指すために使われた経緯がある。

これに先立ちハモンド前財務相は、ジョンソン首相の周囲にいる選挙で選ばれていない人々が、合意のないEUからの離脱(ブレグジット)を強行しようとした場合、議会はそうした動きを阻止することが可能だと確信している、と語った。BBCラジオに対して述べた。

ジョンソン首相は、EUが離脱協定案の再交渉に応じなければ、合意のないまま10月31日に離脱を強行すると表明している。一方のEU側は、再交渉に応じない構えを崩していない。離脱協定案は当時のメイ首相が昨年11月に合意したもので、アイルランドとの国境管理問題に関するいわゆる「バックストップ(安全策)」が盛り込まれている。

ハモンド氏は、バックストップ破棄を要求することは、首相周辺のアドバイザーによる破壊的戦略であり、合意なし離脱を「不可避」にするものとして批判した。

ハモンド氏は「交渉のハードルを高く設定して合意なし離脱を不可避にすることは、裏切りだ」と主張。こうした動きは、首相の周りで「糸を引いている」人々による「破壊的駆け引き」との見方を示した。

同氏は「彼(ジョンソン首相)は議会に耳を傾ける必要がある。議会は明らかに合意なし離脱には反対だ」とした上で「議会にはその見解を表明する手段があると確信している」と語った。

ハモンド氏はメイ政権で財務相を3年務めた。ハモンド氏が財務相辞任後、ブレグジットについて公的にコメントするのは今回が初めて。

英議会では議員の過半数が合意のないEU離脱に反対しているとされるが、実際に合意なし離脱の動きを阻止できるのかどうかは不明だ。

前日には、英下院のバーコウ議長が、EU離脱を実現するためのジョンソン首相による議会休会を阻止する意向を示した。英紙テレグラフが報じた。

報道によると、バーコウ議長は英EU離脱実現に向け議会を迂回または休会しようとするあらゆる試みに対抗していくと述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米エクソンとシェブロン、ベネズエラ事業に前向き 長

ビジネス

首相の為替発言、円安メリット強調したものでは全くな

ワールド

イタリア第4四半期成長率、予想上回る前期比0.3%

ビジネス

午前の日経平均は小反発、円安進行で一時5万4000
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から脱却する道筋
  • 2
    関節が弱ると人生も鈍る...健康長寿は「自重筋トレ」から生まれる
  • 3
    世界初、太陽光だけで走る完全自己充電バイク...イタリア建築家が生んだ次世代モビリティ「ソラリス」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    中国がちらつかせる「琉球カード」の真意
  • 6
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 7
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    【銘柄】「大戸屋」「木曽路」も株価が上がる...外食…
  • 10
    【銘柄】「住友金属鉱山」の株価が急上昇...銅の高騰…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 5
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 6
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 7
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 8
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中