ニュース速報

韓国中銀、予想に反し3年ぶり利下げ 追加緩和を示唆

2019年07月18日(木)15時23分

[ソウル 18日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は18日、市場の据え置き予想に反して政策金利を1.75%から1.50%に25ベーシスポイント(bp)引き下げた。利下げは2016年6月以来、3年ぶり。

ロイターが実施した調査では、今月は据え置き、来月の利下げが予想されていた。

輸出規制を巡る日本との対立が深まる中、今年の成長率見通しも過去10年で最低の水準に引き下げた。

中銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁は記者会見で、いかなる経済状況の変化にも対応する余地があると発言。追加の政策緩和を示唆したものと受け止められている。

JPモルガンのエコノミスト、Park Seok-gil氏は「総裁は市場が年内の追加利下げを織り込んでいることを否定せず、政策余地はまだあると述べるなど、近いうちの追加利下げが可能ということを示唆した」と述べた。

国内市場では、国債先物が追加利下げ見通しで上昇する一方、株価と為替は反応薄。

中銀はまた、3カ月前に2.6%から2.5%に引き下げた今年の経済成長率見通しをさらに引き下げ2.2%とした。インフレ率見通しも1.1%から0.7%に引き下げた。中銀のインフレ目標は2%。

総裁は「成長率・インフレ率ともトレンドが当初予想を下回っており、景気回復を支えるため金利を引き下げることを決定した」と述べた。

日本による半導体材料の韓国向け輸出規制強化については「韓国経済に大きな影響をもたらす見込みで、経済見通しはこれを反映している」と説明した。

また、金融政策は景気減速からのリスクを注視しており、政府は住宅価格対策で厳しい措置を維持する必要があると強調した。

李総裁と企画財政相の双方が政策緩和が近いことを示唆したことから、債券市場では目先、1回か2回の利下げが織り込まれていた。

米中貿易摩擦が続く中、第1・四半期が予想に反してマイナス成長となり、インフレ率も予想を下回ったことで、韓国中銀は利下げ圧力にさらされていた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

G7外相、イスラエル・イラン停戦支持 核合意再交渉

ワールド

マスク氏、トランプ氏の歳出法案を再度非難 「新政党

ビジネス

NY外為市場=ドル対ユーロで約4年ぶり安値、米財政

ワールド

米特使「ロシアは時間稼ぎせず停戦を」、3国間協議へ
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた発見の瞬間とは
  • 2
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とんでもないモノ」に仰天
  • 3
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。2位は「身を乗り出す」。では、1位は?
  • 4
    「パイロットとCAが...」暴露動画が示した「機内での…
  • 5
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 6
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 7
    ワニに襲われ女性が死亡...カヌー転覆後に水中へ引き…
  • 8
    飛行機のトイレに入った女性に、乗客みんなが「一斉…
  • 9
    自撮り動画を見て、体の一部に「不自然な変形」を発…
  • 10
    顧客の経営課題に寄り添う──「経営のプロ」の視点を…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で大爆発「沈みゆく姿」を捉えた映像が話題に
  • 3
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門家が語る戦略爆撃機の「内側」と「実力」
  • 4
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 5
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 6
    夜道を「ニワトリが歩いている?」近付いて撮影して…
  • 7
    突然ワニに襲われ、水中へ...男性が突いた「ワニの急…
  • 8
    ワニに襲われた男性の「最期の姿」...捜索隊が捉えた…
  • 9
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 10
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊…
  • 5
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 6
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 7
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 8
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中