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G20声明案、貿易・地政学面で緊張「高まっている」=関係筋
[福岡市 9日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会合は、今夕発表する共同声明で、「世界経済の成長には引き続き下振れリスクがあり、貿易や地政学面で緊張状態が高まっている」との文案を明記する方針だ。「これらのリスクに立ち向かい、さらなる行動を準備する」ことも併せて記す。関係筋が9日明らかにした。
G20財務相会議は共同声明で、貿易と地政学面での緊張状態の高まりへの対処が「何よりも重要」との認識を示す。貿易に関しては「2018年12月のブエノスアイレス会合での結論を尊重する」ことを再確認する。為替についても従来の表現を踏襲する。
ブエノスアイレス会合では、共同声明で「国際的な貿易・投資は成長、生産性、イノベーション、雇用創出と開発のための重要なエンジン」と指摘し、「このために多角的貿易体制が果たしてきた貢献を認識する」としていた。
G20財務相会議の初日時点での声明案には「貿易摩擦の解消は急務」との記述もあったが、米国に配慮し、文案は削除された。米中貿易摩擦の激化が世界経済の成長を妨げる、との表現も見送る。
巨大IT(情報技術)企業を念頭に置いたデジタル課税では「2つの柱によるアプローチを採用し、2020年までの合意を期待する」と明記する。
*情報を追加し、再構成しました。
(Francesco Canepa and Jan Strupczewski 翻訳編集:竹本能文、山口貴也)