ニュース速報

カナダ金融システムへのリスク、昨年よりやや高まる=中銀年次報告

2019年05月17日(金)03時08分

[オタワ 16日 ロイター] - カナダ銀行(中央銀行)は16日、金融システムに関する年次報告で、カナダの金融システムに対する全般的なリスクは2018年6月と比べてやや高まっているとの認識を示した。

中銀は「全般的に金融システムは復元力を保っており、市場参加者の信頼感はなお高い」との見方を示した。

ただリスクが高まる要因として、経済成長の減速のほか、昨年の原油価格下落やエネルギー部門が引き続き抱えている問題に加え、世界的な金融市場で見られているリスク選好の拡大などに言及。全国的に深刻なリセッション(景気後退)、住宅価格の大規模な調整、金融市場の急激な価格変動などを金融システムに対する主要なリスクとして挙げた。ただカナダの銀行はこうしたリスクに十分対応できる態勢を整えているとした。

中銀は今回の報告書で初めて企業の社債発行に起因するリスクに言及。「投資家の間で高利回り社債とレバレッジドローンに対する需要が高まっていることを反映し(企業の)借り入れが増加しており、投資家心理の変動に(企業の)将来的な行動が影響を受けやすくなっている。中銀はこうした状況を注視している」とした。

企業の多くは米市場で資金を調達。中銀は、米国における企業の資金調達状況の悪化に伴うマクロ経済的な影響を通して、カナダの金融安定が広範な影響を受ける可能性があるとの見方を示した。

このほか、市場関係者はサイバー問題が引き続き金融システムに対する最大のリスクと認識しているとも指摘した。

中銀は過去数年間にわたり、家計債務の増加と住宅市場の不均衡について警戒。これらの脆弱性は解消はしていないものの、やや改善した。中銀は「こうした進展にもかかわらず、中銀は全般的な債務がなお高水準にあり、その大部分がすでに大きな債務を抱える家計によることから、中銀は引き続き警戒する必要がある」とした。

ポロズ中銀総裁は記者会見で、債務全体の水準は「当面は変わらない」と予想。年初から見られる世界的な債券利回りの低下で住宅ローン金利が低下しており、家計の借り入れは増大するとの見方を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

再送-イタリア、難民救助船の領海進入阻止も メロー

ワールド

北朝鮮、金正恩氏の娘を後継「内部任命」段階 政策関

ワールド

豪労働市場はやや逼迫、根強いインフレ圧力と整合=中

ワールド

カンボジア当局が約200カ所の詐欺拠点封鎖、173
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんは何を食べて生き延びるのか?...「ブドウ糖」の…
  • 5
    一体なぜ? 中国でハリー・ポッターの「あの悪役」が…
  • 6
    【独自取材】「氷上のシルクロード」を目指す中国、…
  • 7
    あなたの隣に「軍事用ヒト型ロボット」が来る日
  • 8
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    まさに「灯台下暗し」...九州大学の研究チームが「大…
  • 1
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 2
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 5
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 6
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 10
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 8
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 9
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中