ニュース速報

ベネズエラ国会と米政府、2期目のマドゥロ政権に圧力強める

2019年01月16日(水)12時33分

[カラカス 15日 ロイター] - 政治の混乱が続くベネズエラで15日、野党が多数派を占める国会は、2期目が始まったばかりのマドゥロ大統領を「強奪者」とする宣言を出した。米政府は国会のフアン・グアイド議長を支持する立場を示し、マドゥロ氏への圧力を強めている。

事情に詳しい関係者2人によると、トランプ米政権はグアイド氏を正当な大統領として承認することを検討している。ただ、関係者の1人によると、ベネズエラの最近の動向を踏まえて取り得る選択肢の1つとして検討されており、最終決定は下されていない。

マドゥロ氏は今月10日に2期目を開始したが、昨年の大統領選は不公正だったとして国際社会が幅広く反発している。

ホワイトハウスの当局者によると、ペンス米副大統領は15日にグアイド議長と電話で会談し、「ベネズエラで唯一正当な民主主義機関」として同国の国会を支持する考えを表明した。

国会はこの日、米国や欧州連合(EU)、複数の南米諸国に対し、マドゥロ政権の管理下にある当該国の銀行口座を凍結するよう要請する内容の法案を可決した。

米国とEUは既に、ベネズエラ国債の販売を制限し、マドゥロ氏を含む政府幹部らの資産を凍結する制裁を導入している。

今月5日に国会議長に選出されたグアイド氏は、軍部の支持があるならばマドゥロ氏に代わり暫定大統領に就任し、その後に自由選挙を実施する用意があると前週表明している。

グアイド氏は15日付の米紙ワシントン・ポストへの寄稿で「国の結束と内外の圧力によって強奪を終える」という明確な目標があると記した。

ただ、米国のある関係者は、グアイド氏は自身が大統領だと宣言しているわけではなく、そうする意向を示してもいないため、米政府が同氏を大統領として認めるのは難しいと指摘する。マドゥロ大統領がグアイド氏の就任を阻止する、あるいは同氏を拘束する恐れもあるという。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

再送米PCE価格指数、3月前月比+0.3%・前年比

ワールド

「トランプ氏と喜んで討議」、バイデン氏が討論会に意

ワールド

国際刑事裁の決定、イスラエルの行動に影響せず=ネタ

ワールド

ロシア中銀、金利16%に据え置き インフレ率は年内
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    アカデミー賞監督の「英語スピーチ格差」を考える

  • 6

    大谷選手は被害者だけど「失格」...日本人の弱点は「…

  • 7

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 8

    19世紀イタリア、全世界を巻き込んだ論争『エドガル…

  • 9

    「性的」批判を一蹴 ローリング・ストーンズMVで妖…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 3

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈する動画...「吹き飛ばされた」と遺族(ロシア報道)

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 6

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中