ニュース速報

ゴーン、ケリー両容疑者と日産を東京地検が起訴 2人を再逮捕

2018年12月14日(金)13時41分

[東京 10日 ロイター] - 東京地検特捜部は10日、日産自動車<7201.T>の有価証券報告書に役員報酬を約50億円少なく記載したとして、前会長のカルロス・ゴーン容疑者と前代表取締役、グレゴリー・ケリー容疑者、法人としての日産を金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の罪で起訴した。

また、同特捜部は同日、新たに約40億円の報酬を有価証券報告書に記載しなかった金融商品取引法違反の疑いで、ゴーン容疑者とケリー容疑者の2人を再逮捕した。

複数の国内報道機関によると、2人は、2015年3月期までの5年間におけるゴーン容疑者の報酬が約100億円だったにもかかわらず、約50億円と日産の有価証券報告書に虚偽の記載をして提出した。

また、再逮捕の容疑となった虚偽記載額は、42億7000万円としている。

証券取引等監視委員会は10日、2人と法人としての日産を刑事告発したと発表した。監視委幹部は、一般論と断ったうえで役員報酬について、コーポレートガバナンスが機能しているか見極める重要な要素であるとの見方を示した。

両容疑者は11月19日に同法違反の疑いで逮捕され、東京拘置所に勾留中。きょう10日が勾留期限だった。

日産は2人と日産の起訴について「事態を重く受け止めている」としたコメントを発表した。

日産は、有価証券報告書の虚偽記載は「証券市場における開示情報の信用性を大きく損なうものであり、関係者に多大な迷惑をかけたことを深くおわび申し上げる」とした上で、日産として「今後、さらなるガバナンスの強化に努め、企業情報の適切な開示を含めコンプライアンスを遵守した経営に努める」と表明した。

また、有価証券報告書の記載内容に重大な不備が判明し「現在、役員報酬として本来開示すべきであった額、および有価証券報告書上の役員報酬額の訂正に伴い必要となる可能性のある、報酬費用の計上などの財務情報に関する訂正内容を精査している」と説明。

これらの訂正内容が確定次第、「速やかに過年度の有価証券報告書および四半期報告書の訂正報告書を財務当局に提出し、決算短信および四半期決算短信の訂正を開示していく」としている。

*10日配信の記事の写真を差し替えました。

(田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナに大規模夜間攻撃、19人死亡・66人負傷

ワールド

ウクライナに大規模夜間攻撃、19人死亡・66人負傷

ワールド

中国、日本産水産物を事実上輸入停止か 高市首相発言

ワールド

訂正-ジャワ島最高峰のスメル山で大規模噴火、警戒度
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 8
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 9
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 10
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中