この層のアメリカ人は、退院したトランプがホワイトハウスで演じた英雄的指導者像をそのまま受け入れ、自分たちの「主君」であるトランプにとって不都合な事実は全て嘘だと決め付ける。

そればかりか、トランプがテレビ討論会で白人至上主義団体に対して「下がって待機せよ」と述べたことも容認する。その後、武装した白人至上主義団体がミシガン州知事の拉致を画策していたことが明るみに出て、トランプがこの事件に関連して知事を批判するに至っても、そうした考えを変えようとしない。

トランプは、自らの新型コロナ感染を政治宣伝の道具にし、エゴを満足させようとしている。そして、多くのアメリカ国民は、社会を覆う不安とリーダーの病理に触発されて、妄想と危うい集団思考に陥っている。その結果として脅かされているのは、アメリカ社会の平穏と民主主義だ。

<2020年10月20日号掲載>

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