「究極の命知らず」となるには避けて通れぬ「通過儀礼」。そう銘打った人気の絶叫マシンが、この7月半ばから不気味に静まり返っている。それは米カリフォルニア州バレンシアの遊園地シックスフラッグス・マジックマウンテンにある「X2」。7月初旬に乗客2人が相次いで緊急搬送され、開頭手術を受けた事件が関係しているらしい(9月29日にシックスフラッグスは「X2」の恒久的な閉鎖を発表)。
CNNが8月27日に報じたところでは、X2をめぐっては過去にも下車後に倒れて病院に運ばれ、緊急手術を受けた事例が複数あり、障害の残った人や死亡した人もいる。
ローラーコースター絡みの人身事故は概して大々的に報じられるが、専門家や業界のデータによれば、乗客が重篤な症状で病院に搬送されることは珍しい。利用者の数や運行回数に比べたら、まれと言っていいくらいだ。
しかしX2は並のコースターではない。走行中に座席が左右にせり出し、激しく回転したりする「5次元」の設計だ。乗客の肉体にかかる物理的な負荷も、それだけ大きいだろう。人によっては健康上のリスクが高まるのではないか? そもそも今の絶叫マシンでは、脳挫傷などの重篤な例がどれほど起きているのだろうか。
CNNの調査報道によれば、7月初めにハワイから家族でシックスフラッグスを訪れてX2に挑戦したパメラ・ギレン(40)が、下車した直後に意識を失って病院に搬送された。脳の急激な圧迫による硬膜下血腫と診断され、手術を受けたが、その後2週間は意識が戻らなかった(今はリハビリで会話や歩行の能力を取り戻しつつある)。