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だが、有名なコリオグラファーたちの作品を何年かかけて分析し、研究した。そしてダンスカンパニーとの撮影では、コリオグラファーと密に話し合うという。ちなみに、彼に極めて大きな影響を与えたコリオグラファーは、モダンダンスの伝説的アイコン、故ピナ・バウシュだ。作品の中にもそれが読み取れる。

ダンサーたちに対する彼の考え方も、ヴァスタの作品を理解する上で重要になってくる。彼が作品でフォーカスしたいのはそのムードと演出だが、自身の作品づくりの場合でも、独りよがりではない。ダンサーたちとのコラボレーションとしての、ムードと演出だ。そして、それゆえヴァスタは、「作品づくりで最も重要なことは、ダンサーの創造性を見つけ出すこと」と語る。

イタリアの古典とルネサンスの美学に子供の頃から影響を受け、無意識かもしれないが、常に耽美性が作品の中枢に流れ入るヴァスタ。しかし、その信念は多くのアーティストと同じく、時にポリティカルである。愛や風景でさえ、そうなるという。

そして、Ludovico Schillingとコラボレーションした、反人種差別のメッセージが組み込まれた作品「Dance Against Racism」を作った理由について聞くと、ヴァスタはこう答えた。

「個人にさえ政治的な義務がある――とりわけ現在は。世界で何が起こり、我々の行動がどんな影響を生み出すかを知らなければならない。アートも人間性(Human Condition)について、それが政治的であろうがなかろうが、何かを語っていくべきだ」

ヴァスタのダンスと映像の模索は、ある種まだ始まったばかりなのである。

今回ご紹介したInstagramフォトグラファー:
Angelo Vasta @angelo_vasta

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