パーソナルな問題を写真で表現することは、少し前までは、ファインアートの独断場だった。だが、ここ最近、多くのフォトジャーナリスト系の写真家が、そうした個人の内面に属する問題を意図的にドキュメンタリー・プロジェクトのメインテーマとして扱い始めている。トロントをベースにする30歳のカナダ人、イアン・ウィルムズもその1人だ。

 すでに自らの帰属性やアイデンティティーを、迫害と転住を余儀なくされた彼の祖先メノナイト(キリスト教の教派の1つ)のプロジェクトでカバーしてきが、インスタグラムでは、よりパーソナルな問題を前面に押し出している。2014年の11月、南アフリカでのモーターバイクの事故により、身体が麻痺して意識がなくなってしまった父親。その彼の元に駆けつけた時からの出来事と記憶を綴ったプロジェクトだ。

【参考記事】娘を撮り続ける「ファミリーフォトジャーナリズム」とは何か

 南アフリカでの出来事は、人生の中で父親ともっとも近づけた時、とウィルムズはいう。それまでの彼の人生は、子供時代は不幸な家庭とともにあった。母親は精神病とドラッグ中毒に苦しんできた。父親とも最悪の関係が事故のわずか2年ほど前まで続いていた、というのだ。それが事故を機に、父親への愛を認識したのだった。

His sense of humour.

Ian Willms / Boreal Collectiveさん(@ianwillms)が投稿した写真 -

父親のユーモアセンス
父親の埋葬時に使われたスコップの写真