[シンガポール 23日 ロイター] - 韓国や台湾など北東アジア新興国は、経常収支が大幅な黒字になっている。そのためアナリストは、米連邦準備理事会(FRB)が利上げに踏み切っても、これら諸国の通貨に及ぶ影響は限定的と見ている。

米金利が上昇すればアジア新興国から資本が流出、域内通貨に圧力がかかりかねない。その影響を相殺するには貿易黒字が必要であり、貿易収支が黒字なら経常収支も黒字になりやすく、一般的に通貨も上昇する。経常黒字になれば、投機筋から身を守ることも可能になる。

韓国は2015年1─4月期は季節調整後ベースの経常収支が409億ドルの黒字だった。台湾の第1・四半期の経常収支は220億ドルの黒字を計上。中国も同期間、789億ドルの経常黒字となっている。

一方、インドネシアの経常収支は39億ドルの赤字。マレーシアは100億ドルの小幅黒字だが、コモディティ価格の下落が輸出収入を圧迫しているため、経常収支の先行きは明るいとは言えない。

<健全な経常収支、北東アジア通貨のバッファーに>

経常収支の状況を反映して、北東アジアの新興国通貨は今年、東南アジアをアウトパフォームしている。米ドルに対する騰落は、台湾ドル<TWD=TP>が2.9%高、韓国ウォン<KRW=KFTC>が0.5%安、人民元<CNY=CFXS>が0.1%安。一方、インドネシアルピア<IDR=ID>は7.0%下落し、今月には17年ぶりの安値をつけた。マレーシアリンギ<MYR=MY>は6.9%下落し、タイバーツ<THB=TH>は2.5%下落した。

アバディーン・アセット・マネジメントの在シンガポールのマクロアナリスト、リー・チン・ヤン氏は「健全な経常収支が長期的に、北東アジア通貨のバッファーになる」との見方を示している。

一方、韓国や中国、台湾が経常黒字なのは、輸出が急増しているからではなく、輸入が輸出より速く減少しているため、との指摘もある。

それでも、コモディティ輸出により大きく依存している東南アジアのほうが、相対的に不利なことは否めない。韓国や台湾では少なくとも、石炭や銅、原油より耐性のあるハイテク製品を主に輸出している。

(Jongwoo Cheon記者 翻訳:吉川彩)

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