EUの瀬戸際政策に怒り
EUは「最後の最後まで」交渉に応じないことで悪名高い。ユンケル欧州委員長らEUリーダーたちは、イギリスからの一連の提案を「妄想」「夢想」「非現実的」と一蹴して拒み続けた。EU懐疑派から見れば、これこそまさにEUのやり方だ。提案をはねつけ、新たな譲歩を迫り、先延ばしにし、曖昧にする。
イギリスは経済的打撃や混乱を避けようと必死だが、EUは自らの存続しか考えない。離脱のプロセスを困難で苦痛で高くつくようにすることで、EUは他の加盟国が反旗を翻すのを思いとどまらせることができる。この瀬戸際政策のせいで、イギリスが交渉期限の2019年3月に合意に達しないまま離脱し、WTOの規制に従わなければならなくなるという「交渉決裂シナリオ」の可能性は高まりつつある。これは多くのイギリス国民が望むところではない。
でも同時に、多くの離脱派は、イギリスが道理を通しているのにEUはそうしていないと感じている。彼らは、離脱がほぼ不可能な会員制クラブ、という考えを嫌っているし、EUが互恵的関係を結ぼうとせず、イギリスを罰することに熱心になっているのを腹立たしく思っている。
冒頭のジョークを台無しにするようだが、イギリスは「間違った場所」から出発しているだけでなく、目的地すらよく分かっていないのかもしれない。
※本記事は本誌8/7号より。
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