菅氏は、国内では人が集まらない条件の仕事に対して、海外から安価な労働者を呼び込むことに何の躊躇もない。
地方の産業を維持し、都市部への「出稼ぎ」を減らすため、海外から日本への「出稼ぎ」は逆に増やす。歴史社会学者の小熊英二氏が、企業への補助金の配分にも似た安価な実習生の割り当てを指して「人間補助金」と称した構図そのものだ。
都市部に不利な「一票の格差」とも相まって、「地方」は長く自民党の権力基盤であり続けてきた。菅氏の「出稼ぎ」観は、労働者へのまなざしという意味では一貫していないが、地方への利益分配による権力維持という文脈では一貫しているのかもしれない。
それを「ビジョン」と呼ぶか否かはまた別の話として。
<2020年11月10日号掲載>
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