ブッシュ政権はイラク戦争を正当化するために1つの嘘をつき、その嘘を隠すために嘘を重ねて、ついに墓穴を掘った。

しかしトランプは違う。彼はフェイク(偽情報)の速射砲だ。麻薬の流入阻止であれ独裁政権の打倒であれ、その主張の真偽が検証される前に別な主張を2つも3つも繰り出してくる。その速度と頻度ゆえに検証は追い付かず、有効な反論の機会が封じられてしまう。

トランプ政権はフェイクの連射でシステムを欺くだけでなく、システムの自浄能力を破壊してもいる。

第2次トランプ政権が発足してからの数カ月で、国家安全保障会議(NSC)の職員は文字どおり骨抜きにされた。結果、対ベネズエラ政策を内部検証するプロセスは全く機能していなかった。

そもそもNSCは政治家の暴走を止めるために存在している。何が目的で、何を得たいのかをはっきりさせ、実行可能性やリスクを評価し、むやみな行動にブレーキをかけるのが役目だ。

しかし現政権では、そうした仕組みが解体されている。今回の軍事作戦も、政府部内でまともに検討された気配はない。

本物の危機に備えない