しかし彼の政権にはこうした願望を整理し、優先順位を付ける人材がいない。だから整合性のある政策ができない。
思えば1990年の1月3日には米軍がパナマの指導者マヌエル・ノリエガ将軍の身柄を拘束し、米国内に移送して裁判にかけていた。
しかし、あのときパナマには有力な野党指導者ギエルモ・エンダラがいた。だから政権移行は比較的にすんなりと運び、当時の米大統領ジョージ・H・W・ブッシュは議会で超党派の支持を得ることができた。
今のベネズエラは違う。新たに政権を担える野党の人物がいない。ノーベル平和賞を受賞したマリア・コリナ・マチャドは、トランプに言わせると国内で「支持も尊敬も」集めていない。
だから独裁体制は健在で、マドゥロ政権の副大統領だったデルシー・ロドリゲスが堂々と後釜に座っている。
トランプはロドリゲスを「われわれが必要と考えることを実行する意欲の持ち主」と評している。だが彼女にその意欲があっても、実行できる保証はない。
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