「非効率が『当たり前』」だった現場で起きた変化

newsweekjp20251225091646.jpg
「フローナビ」による診断後は、販促部門の課題や状況をヒアリングし、最適なプロジェクト管理を支援する専門チームを構築していくという

サービス開始初期の支援で印象深い事例がある。某グローバル企業の英文カタログ制作だ。

当時は制作に1年半を要していたが、分析を進めると、日本語原稿の初稿作成と同時に英訳を始め、変更のたびに翻訳と修正を繰り返していたことが長期化の要因だと判明した。そこで「日本語原稿が完全に固まってから英訳をスタートする」手順への変更を提案した。

最初は現場から「大変になった」「やりにくい」といった声もあったが、改善フローが定着すると「時間に追われることが少なくなった」「楽になった」「新しい業務に集中できるようになった」といった反応が聞かれ、体制変更により関与者が半分に減っても円滑に進行したという。

また近年では、見本帳制作において品質確保の難しさを感じていたインテリア商社・メーカーに対し、「フローナビ」が業務フローの整理を支援し、これまで見過ごされがちだった役割分担の曖昧さや、製品情報データの管理・運用における改善余地が可視化された。「課題の所在が明確になった」として、改善に向けた取り組みが進んでいるという。

同社は「フローナビ」を単なる業務効率化にとどまらず、持続的な組織の実現や従業員満足度の向上につながるサービスだと位置付ける。

今後は専門性を磨き若手育成にも力を入れるとともに、課題ヒアリングから分析、改善提案までのスピードアップを課題に掲げる。

さらに、同社が注力するAIタレント活用型ソリューション「AiCONIC(アイコニック)」など新しいサービスとも組み合わせ、業務負荷の軽減と従業員満足を高める支援を広げていく考えだ。

現場が無理なく回り、属人化に頼らない体制が根付けば、変化に強い販促組織が育ち、サステナブルな経営基盤づくりの確度も高まっていくだろう。

日本の多くの職場で、属人化と過重負担は「仕方ないもの」として放置されてきた。だが、仕事の流れを可視化し、手順を組み替えるだけで現場は変わり得ることを示した。

持続可能な社会を語るとき、環境だけでなく「働く現場」もまた前線にある。フローナビの取り組みは、持続可能性を「働く現場」から捉え直すための試金石になり得る。

◇ ◇ ◇

アンケート

どの企業も試行錯誤しながら、SDGsの取り組みをより良いものに発展させようとしています。今回の記事で取り上げた事例について、感想などありましたら下記よりお寄せください。

アンケートはこちら