<イスラエル人の犠牲に同情しながら、パレスチナ市民の苦しみにも寄り添えるはずだ>

イスラム組織ハマスによる最初の奇襲攻撃の残忍さと規模を目の当たりにして、世界中から、特に欧米を中心とする西側から、イスラエルに向けて同情と連帯が沸き上がった。

一方で、パレスチナ自治区ガザ地区に暮らすパレスチナ人もまた、恐ろしいほど大量に命を落としている。イスラエルは大規模なテロ攻撃に反撃して大規模な空爆を開始。ガザはかつてないほど破壊されている。

それなのにパレスチナ人に対しては、同じような同情の声は聞こえてこない。アメリカは最近まで公式にはパレスチナ市民への配慮を示さず、国連の「戦闘の一時停止」を求める決議案に拒否権を行使し否決させた。イスラエルが事実上、制限なく軍事作戦を遂行することを認めている。

ガザ地区への水、食料、燃料、医療物資の供給を完全に遮断するというイスラエルの決定は、国際法上の重大な戦争犯罪になるはずだ。実際、ほかの国がやったときは、西側の政府高官は「純粋なテロ行為」と断じてきた。だが今回は西側政府から抗議はなく、擁護する声さえある。

パレスチナ側の犠牲者に同情や連帯を公に表明すれば、米政府高官から「テロリストの味方」をするのかと激しく非難される。アメリカの「ゼロサム政治」では、イスラエル側の犠牲者だけが犠牲者と認められる。パレスチナ人の命と苦しみと人間性は、イスラエル人の命と苦しみと人間性より価値が低い。

罪のない人々を殺害することと基本的な自衛の権利は、道徳的に等価ではないとされる。しかし、何が道徳的で何がそうではないのかという判断は、当事者の行動というより彼らのアイデンティティーに基づいて行われる。

ジョー・バイデン米大統領の言葉を借りればテロリストは「意図的に民間人を標的にする」が、アメリカやイスラエルなど民主主義国家は「戦時国際法を守る」とのことだ。

命を「ゼロサム」で考えるな

そして今、イスラエルにとって残虐行為に訴える好機が訪れた。イスラエルの政治および軍の指導者たちは、トラウマと屈辱、そして復讐願望に突き動かされている。

イスラエルのガラント国防相がガザに暮らす200万人のパレスチナ人を「動物のような人間」と呼び、国の指導者たちがガザを「無人島」にすると脅している事実は無視できない。彼らには実際にその手段と動機があるのだ。

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扇動的で虚偽の主張も
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