パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが7日に行ったイスラエルへの大規模攻撃を受け、現地では8日もイスラエル軍とハマス武装集団との衝突が続いた。イスラエル、ガザ地区双方の死者は500人を超え、この50年で最大規模の被害となっている。

ハマスの部隊がイスラエルへの攻撃を開始したのは7日早朝。イスラエル南部に大規模なロケット弾攻撃を行い、その隙にガザから前例のない規模の複数部隊がイスラエルに侵入した。

イスラエル軍によると、8日にはレバノンから迫撃砲弾が撃ち込まれた。イスラエル側もレバノンに砲撃し、衝突は拡大の様相を呈している。

一連の攻撃でハマスはイスラエル人250人以上を殺害し、捕虜数十人を拘束してガザに帰還した。イスラエルはガザに猛反撃を加え、住民ら少なくとも250人が死亡した。

イスラエルのネタニヤフ首相は「この暗黒の日について、強力な報復を行う」と述べた。

イスラエル軍報道官によると、8日にはガザ周辺の8カ所で同軍が作戦を実施している。パレスチナ赤新月社によると、ガザの民家2軒がイスラエル軍に攻撃され、18人が死亡した。

パレスチナ保健当局によると、民間人の死者256人には子どもが20人含まれる。負傷者は1800人に上った。

車内で死んだふりをして生き延びた市民も......

ガザに近いイスラエル南部スデロットでは、イスラエル人の民間人の死体がガラスが散乱する道路に横たわり、自動車の中で死亡している男女の姿もあった。

住民のシロミさんは、「外に出てみたらテロリストや市民の死体がたくさんあった。スデロットでは、道路沿いやそのほかの場所が死体の海になっている」と話した。

民家の奥深くに身を隠したイスラエル市民らは、恐怖におののきながら電話やテレビで状況を説明した。

武装集団の襲撃を受けたダンスパーティー会場から脱出したというエスター・ボロチョフさんは、脱出しようと乗った車の運転手が至近距離から撃たれて死亡したため、車内で死んだふりをして生き延びたという。

「脚を動かすことができなかった。後で(イスラエル)兵士が来てバスに乗せてくれた」と、ボロチョフさんは入院先の病院でロイターの取材に答えて振り返った。

一方、ガザでは黒煙や赤い炎が空を染めていた。今回の衝突で殺害された戦闘員の遺体が、緑色のハマスの旗にくるまれて運ばれていった。

ガザでは、負傷者や死者が病院に運び込まれているが、施設は老朽化して大混雑しているほか、医療器材も著しく不足している。空襲で被害を受けた現場に向かう救急車のほかは通りに動きはない。イスラエル側が電力供給を停止したため、ガザ全体が闇に包まれた。

[ロイター]
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