<ウクライナ軍の反転攻勢が予想より遅いのは、ロシア軍が「撤退土産」敷設していく地雷やブービートラップが進軍の脅威になっているからだ>

ロシアに反転攻勢を仕掛けるウクライナ軍を最も苦しめているのは、広大な地雷原と、ロシア軍が撤退するときに必ず仕掛けていくブービートラップだ。そのためにウクライナ軍は、ウクライナ政府や外国の当局者が期待するよりゆっくりと、慎重に進まざるを得なくなっている。

ここ数週間、ウクライナに仕掛けられた地雷とブービートラップの危険性を示す戦場の動画が大量に流されている。ロシア軍はウクライナ軍の前進を妨げ、損傷を与えるためにあらゆる手段を用いている。

ロシア軍は、数カ月かけて塹壕や対人・対車用地雷が埋まった地雷原のネットワークを構築してきた。西側からウクライナに供給された新しい装甲車でさえ、ウクライナ南部と東部に広がる地雷原の犠牲になっている。

「ロシア軍には撤退する前に、一帯に地雷を敷き詰め、ウクライナ軍に罠を仕掛ける時間があったのは明らかだ」と国務省のマシュー・ミラー報道官は7月24日のブリーフィングで、現在の反攻の状況について記者団に語った。

ブービートラップの使用は今に始まったことではない。ロシア軍がウクライナに本格侵攻した2022年2月以降、ロシア軍が撤退した跡にはほぼ例外なく、発見とともに爆発する爆破装置、すなわちブービートラップが仕掛けられている。

洗濯機やおもちゃにも

ウクライナ当局によれば、手榴弾やその他のブービートラップは、洗濯機、車、子供のおもちゃ、ロシア兵の死体にさえ取り付けられていたという。

ウクライナのオレクシー・レズニコフ国防相国防相によれば、集団墓地にもブービートラップが仕掛けられていた。未確認情報ではあるが、蝶のような形をしたロシア製PEM対人地雷、通称「バタフライ地雷」が生きたハリネズミに取り付けられていたという報告もある。

ロシアの政治アナリストで、マサチューセッツ州にあるフレッチャー法律外交大学院の客員研究員パベル・ルジンは、「このやり方はアフガン戦争やチェチェン戦争から、特にチェチェン戦争から派生したものだ」と本誌に語った。

つまり、ウクライナで進行中の戦争は、「さまざまな手段を駆使する非正規戦や、相手との違いを活用する非対称戦の要素が強くなっている」。

最前線で撮られた最近の映像は、ロシア兵が撤退した後の塹壕を、ウクライナ軍兵士が占拠するところを捉えている。塹壕のなかには爆発物が散乱しており、「いたるところに罠が仕掛けられているから、急いではいけない」とウクライナ軍兵士ロマン・トロキメッツはツイッターに書いた。

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あらゆるものに潜む罠
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