あるいは、20年1月に米中が署名した経済・貿易協定「第1段階の合意」の期限が切れる21年12月末までに、中国が500億ドル分のエネルギー製品を購入する義務を果たそうとしたのかもしれない。ただし、協定では幅広い分野でアメリカ製品を購入することや、知的財産権の保護を目的とした法改正などが求められていたが、中国が履行したものはほとんどなかった。

中国が、世界的な気候変動対策の目標と国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)での自らの公約に従い、21年の夏の終わりに石炭から天然ガスに切り替えることを決めたという可能性はあるだろうか。

仮にそうだとしても、その後すぐに方針を転換している。中国生態環境部の22年度の「中国環境報告」によると、石炭火力発電所や炭鉱の新設が承認され、22年の石炭使用量は4.3%増加したのに対し、天然ガスの使用量は減少した。さらに、22年10月の中国共産党大会で習は、気候変動対策よりエネルギー安全保障が最優先だと宣言している。

中国はウクライナをめぐり、国外には中立的な立場をアピールして、国内では親ロシア的なプロパガンダを続けている。しかし、中国が戦争が近いことを知っていて、LNGを買い占めてヨーロッパに直接的かつ長期的な戦略的不利益を与えたのだとしたら、中国はロシアの同盟国以外の何者でもない。

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