中国軍がドローンを運用するのは、今に始まった話ではない。以前から遠く南シナ海や東シナ海にまで偵察用のドローンを飛ばしてきた。日本と領有権を争う尖閣諸島(中国側の呼称は釣魚島)にも、頻繁にドローンを出没させている。

ではなぜ、いま台湾なのか。露骨な武力攻撃の一歩手前の、いわゆる「グレーゾーン」で台湾を威嚇する作戦の一環とする見方もある。また4月27日と5月2日の台湾本島「周回」については、中国が空から台湾を包囲できる能力を誇示し、台湾側の対応能力を探る目的だったという指摘もある。

偵察や監視に加えて、ドローンによる要人暗殺やインフラ攻撃の可能性を指摘するアナリストもいる。確かにアフガニスタンや中東、アフリカなどでは、そうした目的でドローンが使われた例がある。

しかし、その多くは対空反撃能力を欠く地域でのことだ。台湾のような場所にドローンを飛ばして要人の暗殺を試みるという話は、およそ現実的ではない。2019年にホルムズ海峡で、米軍の大型ドローンがイランの革命防衛隊に撃ち落とされた例もある。

ウクライナ戦でも、バイラクタルのような大型ドローンが前線で有効に機能したのは初期段階だけで、ウクライナ領内に陣地を構えたロシア軍が防空体制を整えると、攻撃用ドローンの出番は減った。

米軍のドローンとほぼ同性能

アメリカやオーストラリア、日本などの国々と同様、今の中国はむしろ洋上での作戦行動にドローンを活用している。中国製のBZK005、TB001などはアメリカ製のMQ9B「シーガーディアン」やMQ4C「トライトン」とほぼ同等の性能を持ち、洋上の巡視や捜索・救助、潜水艦の監視、情報収集や信号傍受などの任務に当たっている。高性能のセンサーを備えた大型ドローンなら広大な海域を監視でき、しかも30~40時間の連続飛行が可能だ。

BZK005が爆撃機の先導役として用いられることもある。台湾国防部は1月9日、BZK005がH6爆撃機を先導しててルソン海峡から西太平洋へと飛行したとする飛行データを公表している。

有人機とドローンの運用はどこまで統合?
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