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犬は人間の理想的な協力者や仲間になる賢い動物だ。生まれつき人間との絆をつくる優れた能力があり、人の感情をかなり正確に読み取り、一部の言葉を理解し、合図を出すこともできる FLASHPOP/GETTY IMAGES

ミクローシとチャニは初期の実験で、犬と飼い主を、彼らの興味を引きそうなものをそろえた部屋に入れて観察した。すると犬と飼い主は、人間の幼児と母親の間に見られるのとほぼ同じ行動を見せた。

つまり、犬は飼い主を安全な「基地」と見なし、そこを起点に周辺環境へ冒険に出ては戻ってくる。そしてアイコンタクトをしたり、飼い主の合図を待ったりして、ずっと飼い主とのつながりを保とうとする。言い換えれば、犬は「かわいらしさに反応して絆を深めていく人間の心理的システム」にすっかり入り込んでいた。

このへんの研究は、近年になって一段と進んでいる。例えば、犬と人間の間の絆が深まると、相手に触れたりアイコンタクトをするたびに両者の体からオキシトシンというホルモンが放出されることが分かった。

母親と乳児の絆の形成を促し、心拍数や血圧を下げて落ち着かせる「愛情ホルモン」の一種だ。また身体的な触れ合いによって、人間でも犬でもドーパミンやエンドルフィンのような「幸せホルモン」の分泌が増えることも分かっている。

別の研究では、犬の顔にはオオカミの2~3倍の表情筋があり、表情がより豊かなことも分かった。

この表情筋のおかげで、犬は人間の赤ちゃんと同じように目を大きく見開くことができ、飼い主から、母親が幼児に示すような声や表情を引き出せる。保護施設にいる犬で「子犬のような」目をするのがうまい犬は、ほかの犬より新しい飼い主が見つかりやすいことも知られている。

犬が絆を築く相手というのは、人間だけではない。チャニは2005年に発表した著書『もしも犬が話せたら』で、ジャンピーという犬の例を挙げている。

ジャンピーは長年、飼い主が作ってくれるウサギのシチューが大好物だった。ところがある年のイースターに、飼い主が生きたウサギを買ってきた。するとジャンピーは、このウサギとよく遊ぶようになった。

しかし飼い主は、このウサギを殺してシチューを作った。それに気付いたジャンピーは「友達」を食べるのを拒んだだけでなく、「3日間にわたるハンストを決行」したという。そして以後、決してウサギの肉を食べなくなった。

犬は、単に「たまらなくかわいい」というだけの存在ではない。協調性や人間との友情を育む能力を生まれながらに備え、人の感情や限界に驚くほど調子を合わせ、日々の複雑な儀式や情報を学習・記憶する能力を持っていると考えられる。

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SENSORSPOT/GETTY IMAGES

チャニは、フリップが家庭内のルールをきちんと理解し、適応していることにすぐ気付いた。

まず飼い主の許可を求めた
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