編集部 石田翼のイチオシ

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人間関係を半分降りる

 著者:鶴見済

 出版社:筑摩書房

 要約を読む

「みんなで行った旅行のあと、LINEグループでそれぞれが思い出を語っていたけれど、自分のメッセージにだけ誰も反応してくれなかった」

そう友人がこぼしていた。気持ちに余裕のあるときなら、たまたま忙しかったのだろうと流せたかもしれない。でも、一度気になりだすと、よく噛まずに飲み込んで、喉に引っかかり続けている魚の小骨のように、意識を支配してくる。

思えば、こうしたことは繰り返されてきた。FacebookやTwitterで「いいね」がつかない。mixiで誰もコメントを書いてくれない。携帯のメールやポケベルでなかなか返信が来ない。友だちが何も言わずに、他の友だちと先に帰ってしまう。両親が手のかかるきょうだいばかり相手にしている。

ウェブであろうと、リアルな場であろうと、ふとした瞬間に不安を掻き立てられる。場面やツールが変化しても、不気味なほど「密着した」この関係は、どこまでも追いかけてくる。くたびれているのに、それでも離れてしまうのは怖い。どうして、おそろしいと感じてしまうのだろう。

この本の著者は、それに対して明快な答えを用意してくれるわけではない。そもそも、答えなんてないから、みんな人間関係に悩んでいるのだ。でも、作戦をこっそり教えてくれる。「ああ、怖い」と感じる心に寄り添い、励ましてくれる。

誰にでも、「やさしい視線」と「ゆるい人間関係」が必要なのだ。本書を読めば、そこへと続く扉の場所をきっと見つけられる。

『僕の狂ったフェミ彼女』