<女性が手に職をつけて、経済的自立を励ますプログラミング本を制作。しかし、女性の自立を望まない保護者たちがいるという現実を知ることに。「排除ブーム」と「親の権利」とは?>

アメリカの教育現場で台頭する「禁書」運動のことは、最近まであまり重視していなかった。一部の書籍(多くは歴史的・科学的事実を扱っている)の規制に、保守派が熱心なのは知っていた。

だが民主主義や世界の行方について不安を感じさせる出来事はほかにも多々あり、子供向けの本をめぐる問題は、その上位というほどではなかった。

変化が起きたのは今年9月24日の朝だ。テクノロジー業界の男女格差解消を目指して私が2012年に設立したNPO、ガールズ・フー・コードに関するグーグルアラートの通知の中に、ニューズウィークのこんな見出しが目に入った。

「今度は『侍女の物語』や『Girls Who Code 女の子の未来をひらくプログラミング』が禁止に」──。

記事を読むうちに衝撃は混乱に変わった。プログラミングを学ぶ少女たちの冒険を描く本が禁書になるわけがない。

表現の自由を擁護する文学・人権団体ペン・アメリカは先頃、今年6月までの1年間にアメリカ各地の学校で規制された書籍計1648冊のリストを公表した。そこには、確かに『ガールズ・フー・コード』シリーズ全4作の題名が掲載されていた。

混乱は激しい怒りに変わった。同作の目的はガールズ・フー・コードを設立したときと同じく、高賃金のテクノロジー業界で職を得て経済的に自立できるよう若い女性を励ますこと。

そうしたチャンスを最も必要とする少女たちは、コンピューターや安定したWi-Fi接続へのアクセスがない環境で育ち、声を届けることが最も難しい。だからこそ、書籍の形を選んだ。

禁書指定は私たちの使命への侮辱だ。それだけではない。少女たちに「プログラミングもチャンスもあなたとは無縁だ」という強力なメッセージを発信することになる。技術能力を獲得しようとする非白人・同性愛者・イスラム教徒の女の子は排除の対象だ、と。

私はその日、禁書運動を展開する保護者団体「自由を推進するママたち」にツイッターで呼び掛けた。アメリカでは昨年、書籍規制の事例の半数に、子供の教育に対する「親の権利」を訴える同団体などが関連していた。

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