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中東でロシアの協力を得たいイスラエルのベネット首相 MENAHEM KAHANA-POOL-REUTERS

イスラエルの立場に大きな影響を及ぼしているのは、ロシアがシリアのバシャル・アサド大統領の後ろ盾である事実だ。

今のシリアではロシア系とイラン系の部隊がアサド政権を支えている。だからイスラエルは、シリアにいるイラン系の標的を攻撃できるようにするため、ロシアとの間で交戦回避の合意を交わした。

そのためイスラエルは、ロシアの反感を買えばシリアとの国境地帯の治安が脅かされると懸念している。ウクライナに人道支援を提供する一方、軍事支援に踏み切らないのはそのためだ。

首相のナフタリ・ベネットも、一時はロシアとウクライナの「仲介」に動いたほどだ。

中東諸国がロシアに擦り寄るのはアメリカに対する猜疑心やいら立ちがあるからだ。アメリカは同盟相手として信用できない。また人権問題に関するアメリカからの批判は、中東諸国にとって腹立たしいものだ。

中東で唯一、本当に親ロシアといえる国はシリアだろう。あの国のアサド政権は、ロシアからの軍事援助がなければとっくに消滅していた。

反植民地闘争を支えた恩人

近年のロシアはアフリカにも進出している。内戦が続く諸国ではロシアの民間軍事会社ワーグナー・グループが政権側を支援してきた。

だからアフリカ諸国は、おおむねロシアに対する批判や制裁には及び腰だ。

国連総会のロシア非難決議ではアフリカの多くの国が棄権した。国連人権理事会におけるロシアの資格停止決議にも多くのアフリカ諸国が反対した。

新興経済圏BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)中の民主主義国である南アも、ロシアを批判していない。

アフリカ諸国にとって、ロシアは昔の反植民地闘争を支えてくれたソ連の後継者だ。ソ連は南アのアパルトヘイト(人種隔離政策)時代にアフリカ民族会議(ANC)を支援していた。

だから今も、南アの指導層はロシアに恩義を感じている。そして中東地域と同様、アフリカ大陸にもアメリカへの敵対心があり、それが情勢判断に影響する。

中南米地域にも不和の種が

アメリカの「裏庭」の中南米にもロシアの応援団がいる。

キューバやベネズエラ、ニカラグアがロシア支持に回ったのは当然だが、他の国々も侵攻を非難してはいない。

BRICSの一角を成すブラジルはロシアとウクライナのどちら側にも加担しない「中立」の立場を表明している。

ジャイル・ボルソナロ大統領はウクライナ侵攻直前にモスクワを訪れ、プーチン大統領に「ロシアとの連帯」を約束した。ちなみにブラジルは、農業で使う肥料の多くをロシアから輸入している。

「その他の国々」の強烈な存在感が刻まれる