<プライベートジェットの追跡データによれば、モスクワからドバイへのフライトが急増しているという。背景には、プーチンによるオリガルヒ批判があると見られる>

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は3月16日のテレビ演説で、豊富な資産を背景に「西洋化」された暮らしをするオリガルヒを非難する発言を行った。これを受けて、翌日には複数のプライベートジェットがロシアから国外に向けて飛び立ったことが、追跡データから明らかになった。

プーチンは演説で、「(アメリカの)マイアミやフランスのリヴィエラに別荘を持つ人々、またはオイスターやフォアグラや『ジェンダーの自由』がなければ生きていけない人々」に向けて、「問題は彼らの精神がここロシアに、ロシア人と共にあるのではなく、あちら側にあることだ」と警告した。

またプーチンは、西側はロシア内の裏切り者を利用してロシア社会を分断しようとしており、「ロシアの破壊を狙っている」と主張。その試みに対抗するため、国民に「自浄」を呼びかけた。

これに対し、著名なジャーナリスト・歴史家であるアン・アプルボームは、「自浄の呼びかけはスターリン時代の『粛清』を思い起こさせる」と非難。かつての暗い記憶を思い起こさせることで、人々の手足を縛ろうとしているとした。

プライベートジェットのエクソダス

そして翌17日、アナリストのオリバー・アレクサンダーは、ロシアから複数のプライベートジェットが離陸したことを発見し、これらの追跡データをツイッター上に公開。「今朝もまたモスクワからドバイへ向かうプライベートジェットの大規模なエクソダスが」とコメントした。

これまでにもアレクサンダーは、「みんなモスクワからウラル山脈に遠足に出かけているようだ」「飛行機に、実際には誰が搭乗しているかは分からないが」「モスクワから北ウラル山脈やシベリアに向かう、ロシア連邦上空における活動が激しくなっている」といった情報を投稿してきた。

こうした動きが意味していることについて、一部の人は核攻撃からの避難だと考えている。だが、オリガルヒたちは彼らが忠誠を誓うプーチンから「報復」されるのを恐れて安全な場所に逃げ出している、という意見もある。

安全な「逃避先」はなくなりつつある